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2017年01月24日

『職業・キャリア教育』終了しました

〜後期授業終了、備忘録Ⅱ〜


前回ブログに続き、講師を務めさせていただいている常葉大学の授業の備忘録です。

今回は、3・4年生を対象とした『職業・キャリア教育』です。この授業のテーマは、「労働者保護はどうあるべきか?」。シラバスには「労働市場が大きく変化する中、従来からの労働者保護一辺倒の労働法のままでは立ちゆかなくなっており、企業サイドの動きも見据えた上で、企業と労働者の良好なマッチングはどうあるべきかを考えたい」云々と書かせていただきました。

実は、私にはシラバスに記載した以外、もう一つ裏目標がありまして…。

授業を受講してくれる学生や就職相談の学生と接する中、『物事には必ず用意された正解があるハズ!!』と信じて疑わない学生は少なくありません(偏差値教育の弊害でしょうか…?)。就職活動で言えば、「エントリーシートには、○○と書くべき」とか「面接では、○○と答えなくちゃいけない」と信じ、自分の頭で考えることなく答えを聞きに来る学生です。

この授業では、そんな学生たちに「男女の賃金格差」「非正規社員問題」「高齢者雇用」「障害者雇用」等々、毎回1つのテーマを決め、テーマに関わる労働法の簡単な説明をした上で、グループで討論をしてもらっています。グループ討論のプロセスを通して、「立場やものの見方によって、正解は幾通りもあるんだよ!」「答えは誰かが与えてくれるモノじゃなく、自分で創っていくモノなんだよ!」ということを認識してもらうことが、私の裏目標なのです。

ということで、今回も最終回の学生の感想をピックアップしておこうと思います。


職業キャリア教育は、4年生の私にとってあまり関係ないのかなと思いながら受講しました。しかし、この授業はこれから自分がかかわっていくことがテーマにされていて、何年生であってもとても大事な授業であることを理解しました。知識がないことで、損をする様なことがない様にしていきたいと思います。

今回の授業でも先生はおっしゃっていたが、「どちらが良くてどちらが悪い」「正解と不正解」ではないということだ。考え方次第で良くも悪くもなるということだ。私の友人には「この授業は正解がないから嫌い」だという人がいる。そのような人は、考え方に多様性がなく、世の中を白と黒で分けられると信じている人だ。その人の考え方を変えるつもりはないが、私は違う。どうせ世の中に正解がないのならば、全てを考慮した上で、良い方(自分なりの答え)に考えたいと思う。

今まで学んできたことは、これからの私自身の生活に密接に関わってくるものだと感じました。これから、私自身が生きていく社会はどんな社会になっていくのか、まだ全然わからないけれど、今とは違う社会の中で生きていななければならないと思います。社会の動きをしっかりと把握して疑いの目を持って世の中を見て、損をしない生き方をしていきたいと思いました。

15回授業を受けて一番印象に残ったのは「男女雇用の格差」のことです。男女で賃金の差があったり、女性というだけで仕事が出来ても評価してもらえなかったりという会社も今もまだあるんだなと思いました。私は女なので、この話を聞いて、これから社会に出るのが不安だなと思いました。このことを踏まえて、就職活動をする上で「男女の平等は守られているのか?」「女だからと理不尽に賃金や評価を下げられることはないか?」をしっかり吟味しなければならないと思いました。

この15回で学んだことは、一見自分にはつながりがないように思えることでも、全てつながっているということ。例えば、高齢者雇用は、高齢者だけの問題に感じるが、それによって若者の雇用が少なくなってしまう問題が出るとか…。1点から見るのではなく、様々な角度から見るようにしたい。変化している時代の中で、考えていくことは必ず自分に関わり利益になると15回の授業を通して、理解することが出来た。

この授業を受けたことにより、視野が広がったと感じました。今までの自分なら自分の経験で得たことが全てで、考えられる視点も自分本位だったと思います。でも、今なら一方の視点だけでなくその逆からの視点や、多方から物事をとらえられると思います。それによって、生き方もいろいろな生き方が考えられるようになりました。授業はとても楽しく受けさせていただきました。

この授業を全て終えて、物事の考え方は1つではないのだと思った。こちらから見たら正解でも、他方から見たら正解でない場合も多いことがわかった。次に今日の社会の状況を少しではあるが、知れたことは大きい。教材のストーリーに近いことは、きっとこれから自分の身の回りでも起きるだろう。その時、法律や制度を少しでも覚えておけたら、解決策が見つかるかもしれない。

昔はひとつの会社で一生働くというのが普通でした。しかし今では、多様な働き方も受け入れられる様な世の中になってきたと感じます。私たちの世代が働くのは、今までの常識だけを信じて働くのではダメなのではないかと思いました。様々な人がいる世の中で、自分らしい働き方が出来る人になりたいと思います。

今までの授業で最も印象に残っているテーマは「男女間の労働格差」です。ずっと言われ続けている問題ではあるが、本でも男女の格差問題について言及している。先生も言っていたが、これから働いていく私たち世代の人たちが問題と向き合って解決していかなければならない。働きやすい環境を作っていきたいと思った。

15回の授業で学んだ働く上での基本的な知識はもちろん、話し合いや講義を含めて1つの物事に対し、多数の視点から考える重要性を学びました。多様な見方については、一見関係ないこともつながっていたり、悪そうなことでも良いことだったりするので、1つの考え方にとらわれないようにしたいと思いました。今後は知識と思考を活かして、変化に対応できる人間になりたいです。

就職や労働は、労働者と使用者の利害が一致した時に成立するということをあらためて感じました。これまで、就職する側の立場でしか労働時間や労働条件、雇用制度等について考えてきませんでしたが、最終的に雇うのは使用者の側であるし、使用者の一番の目的は利益を上げることです。私たちは生きていくためには働いてお金を稼ぐ必要があります。使用者の意図や目的を考慮した上で、就職を考えていきたいと思います。

「変化の激しい時代に生きていることを自覚するべき」という先生の言葉がとても印象に残った。今考えていること、起こっていることが,2〜3年先にはもう通用しないという時代に生きていると思う。これから就職活動をしていく身として、目の前のことばかりにとらわれてしまいがちだけど、もっと長い目で自分のキャリアというものを考え、なんで就職するのか?何のために働くのか?ゴールを見失わないように常に原点に立ち返ってこれからの就職活動を全力で頑張りたいと思う。

15回を振り返ってみて、「働く」ということについて「コレ」という型にはまったモデルの様なものはないのかもしれないと思いました。だからこそ、固定的な考え方や枠にはまった考え方にとらわれすぎず、クリティカルシンキングを常に持ち続けることが必要と感じました。型にはまりすぎてしまうと、現状はこれ以上どうしようもないという考えに陥り、これ以上向上しません。そうすると人生つまらないし、会社にとってもプラスの影響はないのだろうと思います。変化の激しい時代を生きていくためには、クリティカルシンキングを持つこと、そしてそのような思考を生むために常に意欲的に学び続けようという姿勢が大切なのではないのだろうかと思います。



感想を読む限り、「私の裏目標は概ね達成できたかな?」と、ホッとしております。「損をしないように…」とか「疑いの目を持って…」などという一風ネガティブなワードが目立つのは、私が「ボクは、世の中を変える提案は出来ないけれど、何かの縁で知り合ったみんなには“知識”や“情報”が無いことで損をして欲しくない」「誰かの言ったことを鵜呑みにしないで、先ずは疑ってみては?!」と話したことが印象に残ったのだと思います。

ポジティブで気持ちのいい学生たちばかりだったことも、忘れず記録に残しておかなくては…(笑

『職業・キャリア教育』終了しました



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Posted by オルベア at 18:44│Comments(0)日記キャリア教育
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