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2018年08月16日

働くということ

〜 黒井千次 著 〜


「衣食住が満たされていたら、あなたは働きますか?」。私がキャリア支援セミナーやカウンセリングでよく聴く質問だが、あなただったら何と答えるだろう。

「えっ、お金があるのになぜ働くの?」という“働かない派”も少なくないけれど、同じ“働く派”でも「社会に貢献したい」「成長したい」という人から「暇になると人間堕落するし…」「世間体もあるしなぁ…」等々、働く目的は様々だ。

ということで、説得力のある答えを求め続ける中で出会った一つがこの本。黒井千次氏の著書『働くということ』。

黒岩氏は1932年生まれ。1955年に富士重工(現SUBARU)入社、1970年に同社を退社するまでの15年の会社員としての体験を振り返り、氏の考える『働くということ』の意味と意義をまとめた書籍だ。実社会を目前にした大学生に向けて書かれた様だけど、正直、1982年3月の初版から36年も経っているので、「あまり参考にはならないんじゃないか?」と疑心暗鬼で読みはじめたのだが…。

入社前は、イメージする小説家となるため、実社会で生きる最初の数年を会社員として過ごそうという、ある種不純な動機でスタートした会社員生活。それが、実際に働き出してみると、次第に“会社の仕事が自分の内部に入り込んできて、与えられた仕事が単に与えられたものにとどまらず、我を忘れている瞬間があることに気づいてく”という実体験に基づく心の変遷が、読む人を惹きつける。

「社会・経済環境が変わっても、働くことの本質が大きく変わる訳じゃないのかもな~!?」などと感じつつ、一気に読破した。

目次を見ると、“仕事が自分の中に入るまで”“人は金のみのために働くのか”“会社員は職業か”“企業意識と職業意識”“働くことと遊ぶこと”なんて文書が並んでる。「どんなことが書いてあるんだろう?」とちょっとでも興味を持ってくれたのであれば、是非、手に取って読んでみて欲しい。


お奨めです!!

働くということ



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