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2013年07月28日

スクールカースト

~鈴木翔 著~


スクールカーストとは、主に中学・高等学校のクラス内で発生するヒエラルキーのことで、いじめや不登校の原因になるとも言われてきた。とはいえ、「社会問題化したこともなく、曖昧でよくわからないので、検証してみよう」という内容。

概要は、こんな感じ…。

サンプル(大学生:10名、教師:4名+α)は少ないものの、生徒・教員への聞き取りからは、生徒・教員共にスクールカーストの存在を認めており、現象についての認識も一致している。

ただ、スクールカーストについての受け取り方については、生徒が「スクールカーストは、『権力』で出来ており、自分の力で変えるコトは難しい」と考えているのに対し、今回の聞き取りに応じた教師は「スクールカーストは、『能力』を軸としたヒエラルキーだ」と考えており、大きな違いがある。

ここで教師の言う『能力』とは、「生きる力」や「コミュニケーション能力」「リーダー性」のこと。教師は、スクールカーストの上層にいる生徒は「悪ガキ」であろうが「ギャル」であろうが、社会に出てもまあまあうまくいくだろうが、スクールカーストの下層にいる人は社会に出てからちゃんと就職できるか不安なのだという。

で、教師は「これから社会に出て行く生徒は、自分の『能力』の足りない部分を「努力」や「やる気」で改善していく必要がある」と考え、足りない部分を客観視できるスクールカーストを肯定的に捉えているというワケ(サンプルの教師数が+αとなっているのは、スクールカーストを問題視し、途中辞退の教員もいたため)。


そんな中、アマゾンのレビュー等を見ると、「サンプルが少なすぎる」「学術的な根拠に欠ける」等のコメントも多いのも事実なのだけど…。

スクールカーストの存在については、多くの人が感じてはいるモノの、今まではっきりした定義もなく学術的に検証しようという動きがなかったのも事実。中学・高等学校での体験は、キャリア形成に大きな影響を与えるワケで、それを「ささいなこと」として片付けるのではなく、「重要なトピック」として課題提案したことには「大きな意義があるんじゃないの…!?」と感じさせてくれる本でした。

スクールカースト



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Posted by オルベア at 22:34│Comments(0)書評
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