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2017年01月21日

『キャリア開発論Ⅰ』終了しました

~後期授業終了、備忘録~


講師を務めさせていただいている常葉大学の『キャリア開発論Ⅰ(後期授業)』、今年も無事(?)終了しました。

この授業、低学年(1・2年生)を対象としたもので、「①将来の目標や生き方のイメージを持つこと」「②学生時代に何をすべきか考え具体的な行動を起こすこと」によって、4年間の大学生活を有意義なものにすることを目標としています。

昨今、非正規社員の拡大が社会問題化していたり、少子高齢化を背景に女性や高齢者の活躍の必要性が論じられる等、『働くこと』についての話題に事欠くことはありません。また、親からは「安定した会社に入りなさい」「大きな会社に入れば安心だ」などと言われ、低学年時から少なからず就活(どこかの会社の内定を得ること)へのプレッシャーを感じている学生は少なくありません。

とはいえ、『内定を得ること』と『働くこと』は別物であり、学生生活の延長線上に自身の職業人生があるという認識を持つ学生に出会う機会は殆どありません。多くの学生にとって、『働くこと』は自分たちにとっては別世界の話なのです。

例年、その様な背景を認識した上で、前述した授業の目標を達成すべく、学生と接することを心がけてきました。ここ数年は、「Two Wayの講義をしたい」「講義内容が意図通り伝わったか確認したい」との想いから、授業終了時、出席簿に替えて授業の感想を提出してもらい、その中から拾ったコメントを次回の講義時に紹介することにより、相互理解に努めてきました。

そんな中、今年度、一番の課題は受講人数でした。例年、90名程度でも全ての学生の感想に目を通すことは楽ではありませんでしたが、今年度の受講者は150名。「果たして、例年のスタイルでやりきれるのだろうか?」と不安いっぱいでしたが、他によいアイデアが浮かばず、初心貫徹と覚悟(?)を決めました。

スタートしてみると、「伝えたいことが伝わった!」と思える感想や「う〜ん、そういう意味ではないんだけど…」と言いたくなる様な感想はもちろんのこと、「私に気づきを与えてくれる感想・質問」もありました。回を追う毎に、感想の質も高くなっていき、90分の授業の内、前半30分程を感想の紹介に充てることになってしまいました。知識や情報を提供する時間が減ることに若干のジレンマは感じましたが、「相互理解が無いまま知識だけ増やしても意味がない」と割り切って15回、同じスタイルを通しました。

ここで、最終回の学生の感想をいくつかピックアップしておこうと思います。


今まで、こんなに自分の将来について考えることはありませんでした。やりたいこともなく、自分の将来について考えることは嫌だったし、正直、この授業を受けたのも単位稼ぎでした。しかし、今は「自分の将来のことなんだから真面目に考えなくては…」と意識を変えることが出来ました。まだやりたいことは見つからないけれど、短い大学4年間で自分の可能性を広げられるような生活を送っていきたいです。

私は今まで、ただ漠然と勉強をして、漠然と就職をして生きていければ良いかなと思っていましたが、先生の話を聴いて、その考えを見直していこうと思うようになりました。本当に自分がやりたいことを見つけて、その目標に向かって頑張ることからはじめていきたいと思います。

今までは、教師を目指しているから、他のことは考えなくても良いと思っていた。しかし現在は、教師にこだわりすぎなくても良いと思っている。この授業を受けて、自分が世の中の仕事をあまりにも知らなすぎることがわかり、やりたい仕事が無いのではなく、仕事を知らないだけだということに気づけた。まだ、就きたい仕事は具体的にはなっていないけれど、対人の仕事をやって行ければいいと思っている。

自分はずっと教員になることだけを考えてきましたが、この授業を受けて、職業をひとつに絞るにはまだ早いのかなと思うようになりました。学生の間は、空いた時間を利用して、様々な業種のアルバイトに挑戦しようと思います。意外と自分に向いている職業が見つかるかもしれません。新しい刺激をありがとうございました。

キャリア開発論を受講して思ったのは、色々なことを経験してみようということでした。今年は、接客業、海外旅行、サークルを経験しました。正直、やりたいことが見つかったという感じはしませんが、何に興味がわき、何に興味がわかないのかということは経験することによってわかった様な気がします。

私は失敗することが怖くて、いつも安全な道しか進んできませんでした。でも、「失敗してもいいんだ」と言われて、なんだかもっと楽に考えてもいいと思いました。失敗してもいいのなら、自分のやりたいことをしてみたいと思いました。背負っていかなくてはいけないことが増えていくけれど、その中で出来ることを見つけたいと思いました。

15回の講義を通し、世の中には様々な職業があるし、仕事に対する考え方は十人十色だなと思う部分もたくさんありました。私はずっと小学校教諭になりたいという夢を持っていて、夢を叶えるために大学に入学しました。この1年を通して、その夢に対する思いがとても強くなったけれど、もし教員になれなかったとしても、他にたくさん道はあるかもしれないと思えた授業でした。これからも夢に向かって頑張ります。

自分の見ている世界だけが全てじゃない。世の中には様々な仕事があり、深刻になる必要もないんだと思えた。ただ、時間を有効に使うこと、何をやってきたのかを胸をはって言えるようにならないとダメだと気づいた。

私は、イラストレーターになりたくてこの大学に入りましたが、周りの人のレベルが高いこととストレスで、この1年は絵を描くことがイヤになり、大学を辞めたいと何度も考えるようになりました。しかし、先生の「目標は変わってもいい」という話を聴き、学校帰りによく行く古着のお店のことを想い出しました。そこのお店の店員さんと仲良くなり、元々レジのアルバイトをしていることもあって、本職は古着店の店員、休日は趣味でイラストを描いて個人的に楽しむのもいいかなと考えるようになりました。新しい発見が出来てよかったです。

毎回授業を受ける毎に現実を突きつけられるというか、今の自分がどれだけ未熟で自分自身と向き合えていなかったかを自覚することが出来ました。「何をしたいのか?」とあらためて考えていくうちに、自分の目指す将来が見えてきたような気がします。前回書いた○○のこともそうですが、先ずは目の前にあることからひとつひとつ取り組んでいき、自分のやりたいことに向けて努力します。

この講義を通して、○○というサークルに入ってチャレンジしようと決めました。今までは「入りたいけど入ったら、自由な時間が削られるのではないか」とくよくよ悩んでいましたが、「入ってみなければわからないし、将来やりたいことを実現させるには、コレをやるべきだ!!」と決心し、2年から入ろうと思っています。この大学4年間をどう過ごすのかによって、私の人生は変わると思います。先生が言ってくださったとおり「なんとなく生きる」ということは絶対にしないよう、何か行動をし、考えながら生きようと思います。

この授業の中で、自分の将来への計画性のなさに悲しくなったり、趣味とどう向き合っていくのか考えることが出来たり、目標を見つけることが出来てうれしくなったりと、様々な感情で将来を見つめることが出来ました。自分のことなのにどこか他人事の様な気がしていた就職という将来に向き合うことが出来、本当によかったです。決めた目標を達成できる日が来るよう努力していこうと思います。

先生が最後に言った「なんとなく生きてほしくない」というのがとても心に刺さりました。もっと人間らしく私らしさのある人生にしたいです。すごい人に圧倒されて終わるんじゃなくて、自分がそうなりたいです。



たいへんでしたが、「毎回、学生からの感想を確認し、進めた甲斐があったなぁ…」と思える授業となりました。

ホッ…

『キャリア開発論Ⅰ』終了しました







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Posted by オルベア at 22:01│Comments(0)日記キャリア教育
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