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2012年03月03日

絶望の国の幸福な若者たち

~古市憲寿 著~


最近、マスメディアでもよく見かける古市憲寿氏の著書。世代間格差が問題となっている現代、当事者である古市氏(26歳)が「どんな思いでいるのか?」を知りたくて、読んでみた。

古市氏の著書だけを読んで、「若者のことが理解できた」と思うこと自体が、ピントはずれであることはわかっているつもりだけど、好き嫌いは別にして、例えば…

経済成長の恩恵を受けられた世代を「自分たちとは違う」と見なし、勝手に自分たちで身の丈にあった幸せを見つけ、仲間たちと村々している。何かを勝ち得て自分を着飾るような時代と見切りをつけて、小さなコミュニティ内のささやかな相互承認とともに生きていく。

等、「僕も彼らと同じ時代を生きていたとすれば、こんな気持ちになるのかも…」と思える事象が盛りだくさんだった。

また…

ツイッターやソーシャルメデイアが「社会を変える」ツールになるとも思えない。それらが個人の承認欲求を満たしやすいメディアであることを考えると、機能はむしろ逆だ。ツイッターで適当に社会派っぽいことをつぶやいて、フォロワーたちに賞賛されて、たくさんツイートされることだけで、多くの人はタダ満足してしまう。

実利実益から離れたコミュニティーで提供されるぬくぬくとした相互承認のおかげで、若者たちは社会の様々な問題を解決せずとも生きていけるようになる。


う~ん、SNSの拡大が若者を内向きにさせるかもしれないというのも、説得力あるな~。


ただ…

一人一人がより幸せに生きられるなら「日本」は守られるべきだが、そうでないならば別に「日本」にこだわる必要はない。

と言い切られてしまうと、かなりの違和感を感じるのも事実!う~ん、じゃ~どうする。

絶望の国の幸福な若者たち



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Posted by オルベア at 22:49│Comments(2)書評
この記事へのコメント
こんにちは。
いい本読みましたね。

>ツイッターやソーシャルメデイアが・・・・
>・・・・生きていけるようになる

だから私たちは
「ディバイスを捨て、外へ出よう!」と思わなくっちゃ。

少なくとも私は、結果はともあれ、
ネットで知り合った友人と
リアルに接触する楽しみを知りました。

facebookの「いいね!」に違和感を感じないんでしょうか?
中途半端な繋がりで満足しているんでしょうか?
Posted by kittsankittsan at 2012年03月06日 20:27
Kittsanさん、コメントありがとうございます。

この本、面白かったです。おもわず、某大学の集団討論対策講座の討論テーマ(個人的興味で)「昨今、社会的弱者と言われている若者は、幸せか?」にしてしました…(笑

Kittsanさんの、「中途半端な繋がりで満足しているんでしょうか?」私も同じ類の違和感を感じています。「ディバイスを捨て、外へ出よう!」、こういうのがホントの「いいね!」ですネ!!
Posted by オルベア at 2012年03月06日 23:04
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