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2009年01月05日

派遣仲介料の上限設定検討

~業界の反発必至~

自民、公明両党は急激な景気悪化で雇用契約の打ち切り増加が問題になっている派遣社員の救済策を検討する。派遣会社が派遣先の企業から得る仲介料に上限を設けることで、派遣社員の報酬引き上げにつなげる案などが浮上している。

与党の新雇用対策プロジェクトチーム(川崎二郎座長)で月内に検討を始め、労働者派遣法改正案など関連法案の通常国会提出を目指す。

同チームは派遣会社の仲介料が派遣社員の報酬全体の約3割に及ぶと分析。仲介料に上限を設ければ、派遣社員の報酬に回る分が増えるとみている。派遣先の企業の1人当たりの労務コストが減り、雇用増につながることも期待している。(後略)

出所:1月4日 日本経済新聞
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「業界の反発必至!?」、そりゃそうでしょう。僕も、「木を見て森を見ず」って感じの救済策だと感じました。

僕自身、(工場系派遣のことはわからないけれど)事務系派遣の経験上、人材派遣業で利益をあげるのが難しいのは議員さんより知ってるつもり…。

派遣社員の報酬全体の3割から、採用募集費・労務管理コスト等を差し引くと、結果的に営業利益2~3%しか残らない薄利多売の業界なのですから。景気後退のニュースが出る前は、中小の派遣会社は淘汰の時代に入っていることが問題になっていたでしょ。

私見を言わせていただくのであれば、一番の大きな間違いは、テンポラリーワークであるはずの派遣なのに、工場派遣等の規制を外してしまったこと。このことによって、企業は派遣を人事労務管理の『恒常的な調整弁』として使いはじめてしまった。

派遣先あっての派遣元(人材派遣会社)。この図式が前提であれば、仲介料の上限を設けたとしても、とても市場が活性化するとは思えません。

役人や政治家の役割は、規制で縛ることじゃなく、市場活性化のためのキッカケづくりをすること。それ以上でも、以下でも無いことを考えて欲しいものです。

派遣仲介料の上限設定検討




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Posted by オルベア at 18:30│Comments(0)新聞記事
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