2014年12月22日
正社員消滅時代の人事改革
〜今野浩一郎 著〜
戦後40年以上にわたり世界の注目を集めてきた日本的雇用慣行(終身雇用制・年功制・企業内組合…)が崩壊しつつある(崩壊した?)と言われて久しいが、次なる人事管理のモデルは見えてこない。
そんな状況の中、『正社員消滅時代の人事改革』というタイトルと帯に記載のあった『「制約社員」を活かす会社になる』という言葉に誘われて読んでみた。
全体は、8章で構成されており、大まかには『現状の人事管理』~『今後の予測』~『新たな人事管理の仕組み』の3つのフェーズに分けて以下の様なことが書かれている。
先ずは、『現状の人事管理』について。高度経済成長期には、「作れば売れる」市場環境を前提に、組織メンバーの管理は、明確な数値目標とプロセス管理をすればよかったが、市場の不確実性が増す中、最終成果に関わる目標に変化させる必要性が生まれてきた。結果として、昨今は自営業に似て裁量的になる仕事の進め方が要求される様になってきており、「任せるから責任を取りなさい」に変化してきている。
また、『今後の予測』につては、「制約社員」が多数派になり、企業は「制約社員」の増加を前提とした人事管理が必要になってくる。ここで言う「制約社員」とは、「無制約社員(イメージは、かつて総合職と呼ばれてきた男性中心の基幹的社員)」が会社の指示や業務上の都合に合わせて場所・時間・仕事を柔軟に変えることが出来るのに比べ、何らかの制約を持つ社員のことを指す。
正規・非正規社員の別に関わらず、多くの女性は家事や出産・育児等の時間制約があるし、男性だって親の介護の時間や場所の制約がある、定年後に再雇用された高齢社員は時間や場所の制約・障害者は労働機能面での制約がある等々、「制約の無い社員の方が少ないんじゃないの?」ということだ…。
とここまでは、すべて納得なのだが…。一番肝心な『新たな人事管理の仕組み』については、いろいろな角度からいろいろな案が提示されてはいるものの、「なるほど~!」と納得できるような新たな仕組の提案はなかった。
そんな中、筆者は著書の最後で「人事管理の新しいモデル、それも世界に発信できるようなモデルを作り上げたいと意気込んでみたが、本書を書き終えてみると、それには到底及ばないものになってしまったようだ」と正直な感想で結んでいるのが良心的?
そもそも万能な人事管理の処方など存在するはずもないワケで…。「現在の日本の人事管理の課題についてはわかりやすく整理されている良書かな?」というのが読了後の感想かな…?!

戦後40年以上にわたり世界の注目を集めてきた日本的雇用慣行(終身雇用制・年功制・企業内組合…)が崩壊しつつある(崩壊した?)と言われて久しいが、次なる人事管理のモデルは見えてこない。
そんな状況の中、『正社員消滅時代の人事改革』というタイトルと帯に記載のあった『「制約社員」を活かす会社になる』という言葉に誘われて読んでみた。
全体は、8章で構成されており、大まかには『現状の人事管理』~『今後の予測』~『新たな人事管理の仕組み』の3つのフェーズに分けて以下の様なことが書かれている。
先ずは、『現状の人事管理』について。高度経済成長期には、「作れば売れる」市場環境を前提に、組織メンバーの管理は、明確な数値目標とプロセス管理をすればよかったが、市場の不確実性が増す中、最終成果に関わる目標に変化させる必要性が生まれてきた。結果として、昨今は自営業に似て裁量的になる仕事の進め方が要求される様になってきており、「任せるから責任を取りなさい」に変化してきている。
また、『今後の予測』につては、「制約社員」が多数派になり、企業は「制約社員」の増加を前提とした人事管理が必要になってくる。ここで言う「制約社員」とは、「無制約社員(イメージは、かつて総合職と呼ばれてきた男性中心の基幹的社員)」が会社の指示や業務上の都合に合わせて場所・時間・仕事を柔軟に変えることが出来るのに比べ、何らかの制約を持つ社員のことを指す。
正規・非正規社員の別に関わらず、多くの女性は家事や出産・育児等の時間制約があるし、男性だって親の介護の時間や場所の制約がある、定年後に再雇用された高齢社員は時間や場所の制約・障害者は労働機能面での制約がある等々、「制約の無い社員の方が少ないんじゃないの?」ということだ…。
とここまでは、すべて納得なのだが…。一番肝心な『新たな人事管理の仕組み』については、いろいろな角度からいろいろな案が提示されてはいるものの、「なるほど~!」と納得できるような新たな仕組の提案はなかった。
そんな中、筆者は著書の最後で「人事管理の新しいモデル、それも世界に発信できるようなモデルを作り上げたいと意気込んでみたが、本書を書き終えてみると、それには到底及ばないものになってしまったようだ」と正直な感想で結んでいるのが良心的?
そもそも万能な人事管理の処方など存在するはずもないワケで…。「現在の日本の人事管理の課題についてはわかりやすく整理されている良書かな?」というのが読了後の感想かな…?!

Posted by オルベア at 20:00│Comments(0)
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