2020年05月06日
キャリアについて考える意味 Vol.2
〜ボクが学生と接する中、感じること〜
■よくある就職相談
学生の就職相談で多いのが、就活の三大鬼門?(自己分析、ES、面接)の一つでもある「エントリーシート(以下、ES)の添削依頼。ESは、何かの意図を持って書いているハズ(?)だから、「このES、面接官に何を伝えたくて書いたの?」などと質問するのだが…。質問(例:学生時代頑張ったことは?)に対する答えは丁寧に書かれているけれど、それを通して採用担当者に何を伝えたいという意図が無いまま書いているコトが多い様に感じる。
そんなコトもあって、最近は添削の依頼があると「添削はしないけど、このES読んで聴いてみたいと思ったことを質問するよ!?」などと前置きしてから相談業務に入ることも少なくない。
■意図を持った発言が出来ているか?
就職相談では、他にも似たような場面に出くわす。例えば、「面接の時に〇〇聴かれたら、なんて答えれば良いですか?」という質問。質問に対する答えは“人それぞれ”だし“採用側の質問の意図”が解らないのに、「なんて答えればよいのか?」って言われても困ってしまう。逆に、「就活マニュアルに『この質問にはこう答えろ!』と書いてあるんだが、違和感がある」なんていう学生の言葉には、ホッとする。
あと、(採用担当の)「何か質問ありますか?」の問に対して、「残りの学生生活、何をすればいいですか?」って質問にも困ってしまう。ボクは、本番(ウチの会社)の面接では「あなたは何をやればいいと思う?」と逆質問し、「あなたがやりたいと思ったコトをやればいいよ!」と返している。意地悪だね…(笑
■答えはひとつ?
今回の講義では、「学校の試験以外に答えが一つに決まっているものを教えて!?」という問いかけをさせていただいた。ボクには、陸上競技の様なイコールコンディション(コレとて道具の進歩で全くのイコールとは言えなくなってきている…)で行われる競技以外は、一つしか答えがないケースを思い浮かべることが出来ない。更に、チームには、技術的に優れている人だけじゃなく、リーダーシップに秀でた人、ムードメーカー等、いろんなメンバーが必要で、誰か一人だけで成り立つモノじゃない。ボクがF-1や自転車のロードレースが好きな理由は、“不公平で、スーパースター一人の力だけじゃ勝てないコト”なのかもしれない。
答えはひとつじゃない。“人それぞれの答えがある”ハズだし、“置かれた状況によって答えは変わっていくモノ”という当たり前が共有できていない様な気がする。
■自分の基準を持つことの大切さ
ボクたちは、学校教育の中で、“正解は一つ”と刷り込まれ続けてきた様な気がする。現在、小・中・高校で推し進められているキャリア教育でよく聴く「なりたい自分を見つけよう!」っていうコトバも、視野を狭める一つの要因になっていないだろうか。「どんな職業に就きたい?」と言われても「なりたい自分が見つからない?」と悩み立ち止ってしまう学生は少なくない。
更に、社会経験の浅い学生に、「なりたい自分は明確です!」って断言されちゃうのはもっと心配だ。そういう学生によくよく話を聴くと、単に“知名度が高かったり福利厚生の整った会社”に入ることだけが目的になってしまっているケースが少なくない。そんな会社選びをして、入社2〜3年でウチに転職してくる学生もいるからな〜?!
誰かに与えられた目標とか基準じゃなく、自分のモノサシを持つことが大切なんだと思う。
*********************************
【学生さんの感想:Thanks!!】
・面接の質疑応答での「(学生が)やっておいた方がいいことは?」のお話を聴いて、自分のやりたいことに挑戦しようと思えるようになりました。
・学校の試験以外、答えは一つではないということにとても納得しました。大学生のうちにやりたいことをやり、机上の勉強では学べないことを様々な分野で挑戦して、自分の視野を広げたいなと思いました。
・「なりたい自分なんてあとから見つかる」「就活で焦ることなんてない」という言葉がとても心に残りました。
・私は高校まで、周りからの評価ばかり気にしていました。そして、誰かが持っている答えにたどり着くことを目的に行動していました。まずは、自分がやりたいことを考えてみることからはじめてみようと思いました。
・私は成績がいいわけではありませんが他人からの評価を気にしすぎているのかもしれないと思いました。しかし、自分が死ぬ時に後悔しないためにも、自分と向き合って、自分が幸せで充実していると思える人生なら、それが一番だと思いました。
・自分は、良い会社に入って、業務をこなせるようになり、昇進していくことが「成長」であったり、「キャリア」を積んでいくことだと思っていたので、正直ギクッとしました。
・この授業は、“いい企業”に就くためには何をしたらいいかの答えを見つけるために受講した。いわゆる“いい企業”に入るコトを目的にしていた自分は、耳が痛くなるような思いでした。
・何事に関しても自分の基準を設けようと思いました。会社の基準に合わせることも必要な場面は多々あると思うが、会社の基準の一歩先に行った基準を設け、ほかと違う質の良い働きをすることでキャリアを育てたい。
・授業を聴いたことによって、“自分で考えて自分で決める”のが重要なのではないかと思いました。
・私は、将来の夢がなく、大卒という学歴のために大学進学を選択したようなものですが、今回の授業を受けて、今の生活がただの学歴として終わってしまうことは非常に残念なことだと感じました。
【学生さんからのQuestion】
・何かを始めるときどこから勇気や自信が湧いてくるのですか?
・何か行動を起こす時に、周りの反応や評価を考えて、積極的に行動できないです。これは、自意識過剰でしょうか?
【ボクのAnswer】
“勇気や自信”“自意識過剰”に対する答えになるかはわからないけれど、『勇気を持たないと始められない』場合と『とりあえず始めてみる』場合の2つがある様に思う。で、ボクの場合、多いのは『とりあえず始めてみる』ですね。趣味なんかは、圧倒的にコレ!!
『勇気を持たないと始められない』場合…。う〜ん、今まででの一番は、18年前の起業かな?当時、前職では取締役だったし、家族もいたから…。で、なんで踏み切れたかというと、将来を俯瞰するに足り得る情報を持っていたからだと思う。簡単に言うと、大手企業も雇用の保証をしなくなる中、今いる会社が未来永劫まで面倒見てくれるわけではない、“自分の足で立つ術”を習得することが、結果的にリスク回避につながると考えたからかな。
ちょうど、父親が亡くなった頃だったので、「人間、いつかは死ぬんだ!だったら好きなようにやろう!!」と実感できたのも大きいかもしれない。
ということで、今日はここまで。
※Pic:20代前半、流行りはじめたWSFにハマってた時期があります。
注)このブログは、2020年4月22日(水)静岡県立大学 キャリア概論を聴講してくれた学生を対象に書いています。聴いていない方には解りにくい部分もあるかもしれないことをご承知おきください。
■よくある就職相談
学生の就職相談で多いのが、就活の三大鬼門?(自己分析、ES、面接)の一つでもある「エントリーシート(以下、ES)の添削依頼。ESは、何かの意図を持って書いているハズ(?)だから、「このES、面接官に何を伝えたくて書いたの?」などと質問するのだが…。質問(例:学生時代頑張ったことは?)に対する答えは丁寧に書かれているけれど、それを通して採用担当者に何を伝えたいという意図が無いまま書いているコトが多い様に感じる。
そんなコトもあって、最近は添削の依頼があると「添削はしないけど、このES読んで聴いてみたいと思ったことを質問するよ!?」などと前置きしてから相談業務に入ることも少なくない。
■意図を持った発言が出来ているか?
就職相談では、他にも似たような場面に出くわす。例えば、「面接の時に〇〇聴かれたら、なんて答えれば良いですか?」という質問。質問に対する答えは“人それぞれ”だし“採用側の質問の意図”が解らないのに、「なんて答えればよいのか?」って言われても困ってしまう。逆に、「就活マニュアルに『この質問にはこう答えろ!』と書いてあるんだが、違和感がある」なんていう学生の言葉には、ホッとする。
あと、(採用担当の)「何か質問ありますか?」の問に対して、「残りの学生生活、何をすればいいですか?」って質問にも困ってしまう。ボクは、本番(ウチの会社)の面接では「あなたは何をやればいいと思う?」と逆質問し、「あなたがやりたいと思ったコトをやればいいよ!」と返している。意地悪だね…(笑
■答えはひとつ?
今回の講義では、「学校の試験以外に答えが一つに決まっているものを教えて!?」という問いかけをさせていただいた。ボクには、陸上競技の様なイコールコンディション(コレとて道具の進歩で全くのイコールとは言えなくなってきている…)で行われる競技以外は、一つしか答えがないケースを思い浮かべることが出来ない。更に、チームには、技術的に優れている人だけじゃなく、リーダーシップに秀でた人、ムードメーカー等、いろんなメンバーが必要で、誰か一人だけで成り立つモノじゃない。ボクがF-1や自転車のロードレースが好きな理由は、“不公平で、スーパースター一人の力だけじゃ勝てないコト”なのかもしれない。
答えはひとつじゃない。“人それぞれの答えがある”ハズだし、“置かれた状況によって答えは変わっていくモノ”という当たり前が共有できていない様な気がする。
■自分の基準を持つことの大切さ
ボクたちは、学校教育の中で、“正解は一つ”と刷り込まれ続けてきた様な気がする。現在、小・中・高校で推し進められているキャリア教育でよく聴く「なりたい自分を見つけよう!」っていうコトバも、視野を狭める一つの要因になっていないだろうか。「どんな職業に就きたい?」と言われても「なりたい自分が見つからない?」と悩み立ち止ってしまう学生は少なくない。
更に、社会経験の浅い学生に、「なりたい自分は明確です!」って断言されちゃうのはもっと心配だ。そういう学生によくよく話を聴くと、単に“知名度が高かったり福利厚生の整った会社”に入ることだけが目的になってしまっているケースが少なくない。そんな会社選びをして、入社2〜3年でウチに転職してくる学生もいるからな〜?!
誰かに与えられた目標とか基準じゃなく、自分のモノサシを持つことが大切なんだと思う。
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【学生さんの感想:Thanks!!】
・面接の質疑応答での「(学生が)やっておいた方がいいことは?」のお話を聴いて、自分のやりたいことに挑戦しようと思えるようになりました。
・学校の試験以外、答えは一つではないということにとても納得しました。大学生のうちにやりたいことをやり、机上の勉強では学べないことを様々な分野で挑戦して、自分の視野を広げたいなと思いました。
・「なりたい自分なんてあとから見つかる」「就活で焦ることなんてない」という言葉がとても心に残りました。
・私は高校まで、周りからの評価ばかり気にしていました。そして、誰かが持っている答えにたどり着くことを目的に行動していました。まずは、自分がやりたいことを考えてみることからはじめてみようと思いました。
・私は成績がいいわけではありませんが他人からの評価を気にしすぎているのかもしれないと思いました。しかし、自分が死ぬ時に後悔しないためにも、自分と向き合って、自分が幸せで充実していると思える人生なら、それが一番だと思いました。
・自分は、良い会社に入って、業務をこなせるようになり、昇進していくことが「成長」であったり、「キャリア」を積んでいくことだと思っていたので、正直ギクッとしました。
・この授業は、“いい企業”に就くためには何をしたらいいかの答えを見つけるために受講した。いわゆる“いい企業”に入るコトを目的にしていた自分は、耳が痛くなるような思いでした。
・何事に関しても自分の基準を設けようと思いました。会社の基準に合わせることも必要な場面は多々あると思うが、会社の基準の一歩先に行った基準を設け、ほかと違う質の良い働きをすることでキャリアを育てたい。
・授業を聴いたことによって、“自分で考えて自分で決める”のが重要なのではないかと思いました。
・私は、将来の夢がなく、大卒という学歴のために大学進学を選択したようなものですが、今回の授業を受けて、今の生活がただの学歴として終わってしまうことは非常に残念なことだと感じました。
【学生さんからのQuestion】
・何かを始めるときどこから勇気や自信が湧いてくるのですか?
・何か行動を起こす時に、周りの反応や評価を考えて、積極的に行動できないです。これは、自意識過剰でしょうか?
【ボクのAnswer】
“勇気や自信”“自意識過剰”に対する答えになるかはわからないけれど、『勇気を持たないと始められない』場合と『とりあえず始めてみる』場合の2つがある様に思う。で、ボクの場合、多いのは『とりあえず始めてみる』ですね。趣味なんかは、圧倒的にコレ!!
『勇気を持たないと始められない』場合…。う〜ん、今まででの一番は、18年前の起業かな?当時、前職では取締役だったし、家族もいたから…。で、なんで踏み切れたかというと、将来を俯瞰するに足り得る情報を持っていたからだと思う。簡単に言うと、大手企業も雇用の保証をしなくなる中、今いる会社が未来永劫まで面倒見てくれるわけではない、“自分の足で立つ術”を習得することが、結果的にリスク回避につながると考えたからかな。
ちょうど、父親が亡くなった頃だったので、「人間、いつかは死ぬんだ!だったら好きなようにやろう!!」と実感できたのも大きいかもしれない。
ということで、今日はここまで。
※Pic:20代前半、流行りはじめたWSFにハマってた時期があります。
注)このブログは、2020年4月22日(水)静岡県立大学 キャリア概論を聴講してくれた学生を対象に書いています。聴いていない方には解りにくい部分もあるかもしれないことをご承知おきください。
キャリアについて考える意味 Vol.5
キャリアについて考える意味 Vol.4
キャリアについて考える意味 Vol.3
キャリアについて考える意味 Vol.1
キャリア開発論、終了!!
就職相談から見える学生のマインド
キャリアについて考える意味 Vol.4
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キャリア開発論、終了!!
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