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2009年01月12日

「カーナビ親」の落とし穴

~子に先回りし大学・就職を指示~


「大学は○○大クラスに何とか」「就職なら△△よ」――。子どもに先回りしてアレコレ進路を指示する親が目につく。車の道案内をするカーナビゲーションシステムに似ていることから「カーナビ親」と名付けてみた。将来を心配しての親心かもしれないが、一歩間違うと、子供から失敗体験を奪い、自立を阻害する恐れもある。(中略)

「日本の特徴は、過保護な親として単純にくくれない現象が広がっていることだ。判断力があり広い知識がある親ほど、子どもの将来を心配し面倒を見る流が強まっている」と尾木教授は指摘する。

正規社員が減り、派遣やパートなど非正規社員が増えるなか、親は子どもがこの社会で生きていけるか不安を抱いている。社会の実情を知る親ほど、何とか子どもをリスクが少ない方へと誘導したくなる。社会の安全網もあまり機能しない現実から「親が子どもを守らないで、だれが守るか」という意識が拡大していると尾木教授は分析する。(後略)

出所:1月9日 日本経済新聞 夕刊

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「そう、そう…」と思わず頷いちゃう記事ですネ。大学生と接する機会が多いこともあり、失敗体験の無い若者が多いことを実感します。

例えば、大学生に「学生時代の成功体験・失敗体験を●●件あげてみよう!」なんて問いかけた際、「成功も失敗も思いつきません。当たり障りのない生活しかしてこなかったから…」なんて真顔で言われちゃうケースの何と多いことか…

記事にもある様に、判断力があり広い知識がある親ほど的確な指示を出す「カーナビ親」になっちゃうことがこの問題の難しいところだ。子どもにとって、失敗しないことがプラスに働くとは限らないわけだから。

そういった意味では、僕らの時代は、恵まれていたのかもしれない。例えば、大学進学ひとつとっても、親自体が大学に行ってないのでアドバイスしようにも「何をどうアドバイスしたらいいのか分からない?」、結果的に「子どもは自分で決めるしかない!」という状況が作られていたわけだから…。

このブログを読んでくださるご父兄は、『子どもに短期的な処世術を教えることが、子どもの自己決定力育成の弊害になること』を理解してほしいですネ!?

「カーナビ親」の落とし穴




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Posted by オルベア at 18:30│Comments(5)新聞記事
この記事へのコメント
僕の亡くなった親も中卒でしたが、兄がなにもしなくても勉強できるタイプで、
無言のプレッシャーでした。
だからこそ、兄が大学に入学した頃(兄が身近にいなくなった)、
逆に僕は目標が消え何もする気が起こらない、
無気力人間になった事もありますが、
その数年後、どういうわけか色んな事が吹っ切れてはじけちゃいました。
今もですが・・(笑)
今、親になってみて、毎日楽しく仕事してる姿を背中で見せています(笑)
Posted by 富士君 at 2009年01月13日 00:28
私もこの記事、読みました。
まったく、同感です。
ただ、父親と母親では少々違うのですよね。
私はオルペアさん流で行きたいのですが、妻はまた考えが異なるようです。
親の世代は若者に上手に道を譲らないと、後々たいへんな事になると思うのですが・・・。
Posted by kittsankittsan at 2009年01月13日 00:49
富士君さん

僕の富士君さんの印象、確かに『はじけた人』です…(笑

子供に対して「あーだ、こーだ」言うんじゃなく、楽しさを背中で語るってことが大切なんだと思います。
Posted by オルベアオルベア at 2009年01月13日 09:17
kittsanさん

父親、母親、その他人によっても対応の仕方は様々ですよね。僕も、頭では解っているつもりでも、なかなかうまく出来ないのですが…。

kittsanさんの「親の世代は若者に上手に道を譲らないと…」に関しては、強く同意します。

親の世代は、「若者と張り合う」のではなく、「イキイキ生きてる姿を見せる」「少ないお金で楽しみを見つける」等々、人それぞれ何でもいいので『これからの人生、捨てたもんじゃない』ということを示してあげられるといいんじゃないかな?!などと思っています。
Posted by オルベアオルベア at 2009年01月13日 09:24
初めてコメントを入れさせていだだきます。
私の父は、私が40代半ばになっても、私の挫折に懲りないまま、カーナビ親を続けています。こうした親の姿勢に耐えられないこともあり、昨年私は発達障害者支援センターに駆け込みました。
父は私の意思と離れたところで大きな社会を動かし続けており、私は「まあ、それは一長一短だけど、最後に決めるのは自分だよ」と言われた記憶がありません。自己実現に向けた試行錯誤の機会が乏しいこと等から、私は相手に嘱望される様な自己PRができる様にならず、就職活動もうまくいきません。
子供を一流校に入れることに熱中する親は相変わらず多い様ですが、子供がその学校に合格しても、将来今の私の様になる可能性を考えているのでしょうか?
Posted by 「自閉症の中小企業診断士」yamada at 2010年04月24日 07:57
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