2009年11月25日
保護者のための就活Lesson 第1回
就活・今昔物語
~親子間で認識のギャップ?~
静岡新聞(11月25日朝刊)に記事が掲載されました。

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■昨今の就活事情
私が社会人になって、早30年近くが経とうとしています。『終身雇用・年功序列があたり前』とされていた当時、職業意識も無いまま社会人としてのスタートを切り、3年で3つも仕事を変えてしまった私の様な人間が、大学でキャリアについての講義をしたり、多くの学生の就職相談に乗るなどということを誰が想像したでしょう。人生とは本当に不思議なものです。
時代は変わり、終身雇用・年功序列制度が崩壊し、多くの企業が『意欲ある若者の獲得が企業成長の必須条件』と挙げて、厳選採用をすすめています。『言われたことを真面目にこなす人材』だけでは、「変化の激しい時代の荒波を、乗り越えていくことは難しい」と考える企業が増えてきたということなのでしょう。
その一方で、依然として『希望の企業(多くの場合、大きくて安定していそうな企業)に内定を得ること』を目的化する学生や保護者を数多く見かけます。保護者は「大きな会社が安心」、「安定した会社を選びなさい」とアドバイスをするわけですが、これが子どものためになるとは限りません。
子どもに、「幸せな職業人生を歩んでもらいたい」と思うのであれば、まずは、時代の変化を認識し、『就活の概要』を知ることが大切です。その上で、良き相談相手になってあげて欲しいと思います。
■就活の概要を把握する
最近の就活の特徴として、第一に挙げられるのが、『就活の早期化と長期化』です。私の時代は、「大学4年生の春に活動を開始し、夏休み前には就職先が決定する」というのが一般的でした。就職活動の準備は、せいぜい履歴書を用意する程度だったのではないでしょうか。
昨今は、大学3年生の秋口に活動を開始し(短大・専門学校生は1年生の冬ごろ活動開始)、早い学生で翌年のGW前後、場合によっては卒業間近まで活動を続けるケースも少なくありません。また、自己分析・エントリーシート作成・SPI対策(※1)等、事前準備に多くの時間を割くのが一般的です。
第二は、『就職情報サイト中心の活動』です。インターネットの普及により、多くの求人情報から企業を選択できるメリットは広がりましたが、「何を基準に選んでいいのか判らない」と思考停止に陥る学生も少なくないようです。中には、ネットに頼り、「情報は自分の足を使って収集する」という大切な作業を敬遠する学生もいるようです。
いずれにしても、現在の学生にとっての就活は、私たちの時代の何倍もの時間と労力を費やさざるを得ない活動となっていることは間違いないでしょう。
■どうサポートするか?
ここまで見てきた様に、時代の変化にあわせて、就活のやり方は大きく変化しています。また、やり方だけでなく就活の位置づけ自体も変化しています。私が感じる最も大きな変化は、就活の目的が『内定を得ること』から『職業人生のスタートラインに立つこと』に変わってきているということです。
保護者はついつい自分自身の知識・経験や価値観から、大きな会社、安定していそうな会社への内定獲得のためのサポートに走りがちです。しかし、子どもが面接で志望動機を聞かれた時に「安定した御社で安心して働きたい」などと言ったら(もしくは、心の中で思っていたら…)、その瞬間に企業は「学生に対する興味を失う可能性が高い」ということを、知っておく必要があるでしょう。
また、子どもにとっての『いい会社』とは、規模や知名度ではなく、「仕事を通じてやり甲斐を感じることが出来る」「仕事を通じて成長を実感できる」等、本人の主観による部分が多い様にも感じます。このようなことも理解した上での、サポートが必要です。
先行き不透明な現代、『今後の労働市場を予想し、的確なアドバイスを与えること』は誰にも出来ませんが、子どもの気持ちを尊重し精神的なサポートをすることは、保護者だからこそ出来ることです。
どんな状況にあっても『子どもの心の声に耳を傾ける』という姿勢を大切にして欲しいと思います。
~親子間で認識のギャップ?~
静岡新聞(11月25日朝刊)に記事が掲載されました。

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■昨今の就活事情
私が社会人になって、早30年近くが経とうとしています。『終身雇用・年功序列があたり前』とされていた当時、職業意識も無いまま社会人としてのスタートを切り、3年で3つも仕事を変えてしまった私の様な人間が、大学でキャリアについての講義をしたり、多くの学生の就職相談に乗るなどということを誰が想像したでしょう。人生とは本当に不思議なものです。
時代は変わり、終身雇用・年功序列制度が崩壊し、多くの企業が『意欲ある若者の獲得が企業成長の必須条件』と挙げて、厳選採用をすすめています。『言われたことを真面目にこなす人材』だけでは、「変化の激しい時代の荒波を、乗り越えていくことは難しい」と考える企業が増えてきたということなのでしょう。
その一方で、依然として『希望の企業(多くの場合、大きくて安定していそうな企業)に内定を得ること』を目的化する学生や保護者を数多く見かけます。保護者は「大きな会社が安心」、「安定した会社を選びなさい」とアドバイスをするわけですが、これが子どものためになるとは限りません。
子どもに、「幸せな職業人生を歩んでもらいたい」と思うのであれば、まずは、時代の変化を認識し、『就活の概要』を知ることが大切です。その上で、良き相談相手になってあげて欲しいと思います。
■就活の概要を把握する
最近の就活の特徴として、第一に挙げられるのが、『就活の早期化と長期化』です。私の時代は、「大学4年生の春に活動を開始し、夏休み前には就職先が決定する」というのが一般的でした。就職活動の準備は、せいぜい履歴書を用意する程度だったのではないでしょうか。
昨今は、大学3年生の秋口に活動を開始し(短大・専門学校生は1年生の冬ごろ活動開始)、早い学生で翌年のGW前後、場合によっては卒業間近まで活動を続けるケースも少なくありません。また、自己分析・エントリーシート作成・SPI対策(※1)等、事前準備に多くの時間を割くのが一般的です。
第二は、『就職情報サイト中心の活動』です。インターネットの普及により、多くの求人情報から企業を選択できるメリットは広がりましたが、「何を基準に選んでいいのか判らない」と思考停止に陥る学生も少なくないようです。中には、ネットに頼り、「情報は自分の足を使って収集する」という大切な作業を敬遠する学生もいるようです。
いずれにしても、現在の学生にとっての就活は、私たちの時代の何倍もの時間と労力を費やさざるを得ない活動となっていることは間違いないでしょう。
■どうサポートするか?
ここまで見てきた様に、時代の変化にあわせて、就活のやり方は大きく変化しています。また、やり方だけでなく就活の位置づけ自体も変化しています。私が感じる最も大きな変化は、就活の目的が『内定を得ること』から『職業人生のスタートラインに立つこと』に変わってきているということです。
保護者はついつい自分自身の知識・経験や価値観から、大きな会社、安定していそうな会社への内定獲得のためのサポートに走りがちです。しかし、子どもが面接で志望動機を聞かれた時に「安定した御社で安心して働きたい」などと言ったら(もしくは、心の中で思っていたら…)、その瞬間に企業は「学生に対する興味を失う可能性が高い」ということを、知っておく必要があるでしょう。
また、子どもにとっての『いい会社』とは、規模や知名度ではなく、「仕事を通じてやり甲斐を感じることが出来る」「仕事を通じて成長を実感できる」等、本人の主観による部分が多い様にも感じます。このようなことも理解した上での、サポートが必要です。
先行き不透明な現代、『今後の労働市場を予想し、的確なアドバイスを与えること』は誰にも出来ませんが、子どもの気持ちを尊重し精神的なサポートをすることは、保護者だからこそ出来ることです。
どんな状況にあっても『子どもの心の声に耳を傾ける』という姿勢を大切にして欲しいと思います。
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Posted by オルベア at 12:00│Comments(0)
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