2012年05月14日
大学に「ハローワーク」 500カ所、相談員常駐へ
~厚労省、地元企業など紹介~
厚生労働省は職業紹介・相談業務にあたる公共機関ハローワークの窓口を全国の大学に設置する方針を固めた。専門相談員が500カ所の大学に常駐し、学生の就職を支援する。大企業や有名企業に目を向けがちな学生に、優秀な人材を求める地元の中小企業やベンチャー企業を紹介することで新卒雇用を底上げする狙い。政府が6月にまとめる若者雇用戦略に盛り込み、来年度の設置を目指す。(中略)
具体的には、来年度から大学に窓口の設置を始め、最終的には500程度の大学に設置することを目指す。専門相談員の不足が見込まれる場合は、来年度予算で増員要求する。窓口は大学の求めに応じて設置するが、地方の国公立大学、歴史の浅い私立大学を主な対象に想定している。
大学の窓口では、専門相談員が無料で個別の就職相談に応じる。学生の話を聞いて、自己PRや履歴書の書き方、面接の対応方法を指導する。学生の希望に合った企業を紹介するだけでなく、地域で成長している中小企業などと学生を結びつけることで雇用のミスマッチを解消する。中小企業は学生の採用意欲が強くても資金的な余裕がないため、民間の求人情報会社を使って学生を集めることが難しい面もある。(後略)
出所:2012/5/13付 日本経済新聞 朝刊
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私は、昨今の大学生の就職内定率が低迷している現状を、「社会問題だ!」と考えているので、若者支援の施策を考え実行することには大賛成だ。
ただ問題なのは、「正確な新卒労働市場の把握が出来ているか?」とそれに付随して「施策は的確か?」ということ…。
まず、「正確な新卒労働市場の把握」について、記事では「大企業や有名企業に目を向けがちな学生…」との記載があるが、はたしてそうなんだろうか?確かに、「大手企業じゃなきゃいや!」という学生もいるけれど、地方の多くの学生は、大手企業に対しての就職活動で結果が出なければ、中小企業にターゲットを変更している。
その際、学生からは「中小企業の情報がない!」という話が出て、「だったら中小企業はもっと情報発信を…!」ということになるわけだが…。
そもそも「新卒を受け入れる意欲や素地のある地元の中小企業やベンチャー企業の労働市場がどの程度あるのか?」がわからない。また、中小企業に新卒採用をする気持ちがあったとしても、「受入体制のサポートがないまま、中小企業が新卒を受け入れることが出来るのか?」という疑問も頭をもたげてしまう。
で、仮に「正確な新卒労働市場の把握」が出来たとして、次のステップ。「大学の窓口で、専門の相談員が無料で個別相談に応じる」とあるけれど、ここでいう専門家とは、どんな人をイメージしているのだろうか?
昨年度、ある大学のキャリアセンターの職員に、「『行政の緊急雇用対策で、相談員を派遣してくれる』との話が来た」という話を聞いた。その方曰く、「仕事がなくて、緊急雇用で採用された人が、学生に就職のアドバイスが出来るなんて、到底、考えられない」と言って受け入れを断ったとおっしゃっていた。
私は、現在の日本のキャリアカウンセラー(もしくは、就職相談員?)の社会的地位も待遇もけっして高くないと思っている(別な見方をすれば、「敷居が低い」とも言えるが…)。
本当に専門の相談員を配置する気があるのなら、そのあたり(地位と質の向上)から考える必要もあるんじゃないかと思う。

厚生労働省は職業紹介・相談業務にあたる公共機関ハローワークの窓口を全国の大学に設置する方針を固めた。専門相談員が500カ所の大学に常駐し、学生の就職を支援する。大企業や有名企業に目を向けがちな学生に、優秀な人材を求める地元の中小企業やベンチャー企業を紹介することで新卒雇用を底上げする狙い。政府が6月にまとめる若者雇用戦略に盛り込み、来年度の設置を目指す。(中略)
具体的には、来年度から大学に窓口の設置を始め、最終的には500程度の大学に設置することを目指す。専門相談員の不足が見込まれる場合は、来年度予算で増員要求する。窓口は大学の求めに応じて設置するが、地方の国公立大学、歴史の浅い私立大学を主な対象に想定している。
大学の窓口では、専門相談員が無料で個別の就職相談に応じる。学生の話を聞いて、自己PRや履歴書の書き方、面接の対応方法を指導する。学生の希望に合った企業を紹介するだけでなく、地域で成長している中小企業などと学生を結びつけることで雇用のミスマッチを解消する。中小企業は学生の採用意欲が強くても資金的な余裕がないため、民間の求人情報会社を使って学生を集めることが難しい面もある。(後略)
出所:2012/5/13付 日本経済新聞 朝刊
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私は、昨今の大学生の就職内定率が低迷している現状を、「社会問題だ!」と考えているので、若者支援の施策を考え実行することには大賛成だ。
ただ問題なのは、「正確な新卒労働市場の把握が出来ているか?」とそれに付随して「施策は的確か?」ということ…。
まず、「正確な新卒労働市場の把握」について、記事では「大企業や有名企業に目を向けがちな学生…」との記載があるが、はたしてそうなんだろうか?確かに、「大手企業じゃなきゃいや!」という学生もいるけれど、地方の多くの学生は、大手企業に対しての就職活動で結果が出なければ、中小企業にターゲットを変更している。
その際、学生からは「中小企業の情報がない!」という話が出て、「だったら中小企業はもっと情報発信を…!」ということになるわけだが…。
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Posted by オルベア at 11:29│Comments(0)
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