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2013年02月20日

「長時間会社にいるのが役割」ってワケじゃないでしょ…?!

~働き方を変える 下~


経済協力開発機構(OECD)の2010年版統計によれば、週60時間以上労働する男性就業者の比率は、日本が18%に対して先進諸国は軒並み7%以下だ。かつて「働きアリ」とやゆされた日本人の長時間労働は正社員を中心に依然続いている。しかし、労働時間1時間あたりの国内総生産(GDP)を国際比較すると、日本は他の先進諸国に比べて著しく低い。(中略)

筆者らは、文部科学省・日本学術振興会委託事業の一環で、日本のグローバル企業の欧州現地法人に勤務する管理職層約350人を調査した。日本から欧州の海外現地法人に転勤した労働者が、現地の働き方に影響を受けて労働時間をどのように変えたかを検証した。

日本人労働者の労働時間は欧州への転勤後に大幅に減少し、現地採用の管理職層に近い水準になっていた。この傾向は、仕事量の変化や景気循環の違いなど他の条件を統計的に一定にしたうえでも変わらず、特に仕事上、日本人との関わりが少なく、現地の人々と関わる割合が高い人ほど労働時間の減少幅も大きかった。

また聞き取り調査からは、余暇を楽しむために短時間で効率的に仕事を仕上げるという欧州の職場環境に身を置くことで、残業を前提とした日本的な働き方を見直すきっかけとなったという声が多数聞かれた。例えば、日本では社内会議のために過度に美しい資料を作成したり、事前に関係者に広く根回しをしたりするなど、いわゆる「社内サービス」に費やされる不毛な労働時間も多かった。しかし、欧州勤務を経験したことで、こうした利益を生み出さない部分にまで過度な丁寧さを求める職場慣行の存在が再認識できたという。

これらの結果は、労働時間には周囲の働き方の影響を受けやすいという「ピア(同僚)効果」があり、職場の環境次第で非効率な働き方を是正することは不可能ではないことを示唆している。(後略)

出所:2013年2月20日 日本経済新聞 朝刊

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日本人の長時間労働は、欧米各国から揶揄されることが多い。私自身は、「なんでもかんでも短時間だったらOK!」なんて思っているわけでは無いのだけれど…。

ただ、「長い時間を労働時間に割いているのに生産性は著しく低い」というこの記事を読んだ上で、周りを見渡してみると、「確かに、残業時間と比例して成果が出ているわけじゃないよな~」と感じることは少なくない、というか「すごく多い!」。

これって、『組織』にとっても『働く人』にとっても何のメリットももたらさない。まぁ、残業手当を生活費の一部と考えているごく一部の一般職にとっては金銭的なメリットはあるのだろうけれど…。

記事で紹介されていた『日本から欧州の海外現地法人に転勤した労働者の働き方の変化』にあるように、長時間労働は、日本人のDNAってわけではなさそうだ。


かっこよく働いて、高い付加価値を生む職業人が増えることが大切だ。まずはひとりひとりが、『組織における自身の役割を再確認する(少なくとも、長時間会社にいるのが役割じゃないでしょ…)』ところからはじめてみるのもいいんじゃないだろうか。

「長時間会社にいるのが役割」ってワケじゃないでしょ…?!



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Posted by オルベア at 20:58│Comments(0)新聞記事
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