HOME

2008年04月27日

偽装請負、「雇用」を認定

~大阪高裁 松下系に慰謝料命令~


松下電器産業の小会社「松下プラズマディスプレイ」の工場で請負社員として働いていた吉岡力さん(33)が「実態は偽装請負」と内部告発した後に不当な扱いを受け解雇されたとして、同社を損害賠償や直接雇用の確認を求めた訴訟の控訴判決で、大阪高裁は25日、「松下プラズマとの間で暗黙のうちに労働契約が成立していたと認められる」との判断を示した。(中略)

若林諒裁判長は、男性が業務請負でなく違法な派遣労働だったと指摘し、請負会社との雇用契約が「当初から無効」と認定。無効にもかかわらず松下プラズマで勤務し続けた実態について、指揮命令の状況などを踏まえ「法的に根拠付けるのは労働契約以外ない」と結論付けた。

出所:4月26日 日本経済新聞

   -------------------------------------------------------------------------

偽装請負に関する記事ですね。「派遣」と「請負」の違い、「解りづらい?」という人も多いと思うので、先ずはそれぞれについての説明を…

人材派遣とは、派遣会社(派遣元)の雇用する労働者に、契約企業(派遣先)の中から、条件とスキルにあった仕事を紹介し、派遣スタッフ(派遣労働者)として働いてもらうシステム。「雇用者」は「派遣会社」、「指揮命令者」は「契約企業」と、雇用者と使用者が違うのが大きな特徴。

一方、業務請負とは、請負会社や人材派遣会社が企業から製造業務や営業を丸ごと受託する仕組。よって当然、「雇用者」と「使用者」は同一となる。


で、この記事ですが、吉岡さんは業務請負会社の社員として松下プラズマで仕事をしていたコトになっているけれど、「実際は松下プラズマが指揮命令し、実体は直接雇用だったでしょ!」という記事。

僕も、同じような経験をしている職業人の相談を受けたことがあるし、大手企業であれば、「知らなかった?」とは言えないだろうな~。

ついでに、「法律のコトを知らなかったとしても、受け入れ企業は法的責任を負わなくちゃならない」ってこともつけ加えておきたい。つい最近も、ある団体で派遣社員を受け入れたんだけど、話を聞くと「社会保険への加入義務を果たしておらず、明らかに『違法!』」でも、派遣会社からはいっさいの説明が無かったんだって…。

もちろん、派遣会社に改善を申し入れるようにアドバイスしたけれど。まだまだ怪しい(?)派遣会社・請負会社、少なくないので、契約を結ぶ際は、慎重に吟味してほしいですネ!?

偽装請負、「雇用」を認定


同じカテゴリー(新聞記事)の記事画像
若年女性の流出問題を考える
“納得”するまで、就活をがんばる?!
ファミマ、ユニー統合交渉
損保ジャパン日本興亜、仏再保険に1100億円出資
非正規から正社員、4~6月100万人
「転職検討」20代男性51%
同じカテゴリー(新聞記事)の記事
 若年女性の流出問題を考える (2016-08-14 13:52)
 “納得”するまで、就活をがんばる?! (2015-09-11 17:31)
 ファミマ、ユニー統合交渉 (2015-03-07 08:09)
 損保ジャパン日本興亜、仏再保険に1100億円出資 (2015-03-06 20:24)
 非正規から正社員、4~6月100万人 (2014-09-09 19:30)
 「転職検討」20代男性51% (2014-08-19 19:30)

Posted by オルベア at 12:45│Comments(0)新聞記事
上の画像に書かれている文字を入力して下さい
 
<ご注意>
書き込まれた内容は公開され、ブログの持ち主だけが削除できます。

削除
偽装請負、「雇用」を認定
    コメント(0)