2010年05月21日
保護者のための就活Lesson 第5回
静岡新聞(5/20(木)東部・西部版、5/21(金)中部版朝刊)に記事が掲載されました。

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活動がうまくいかない子どものサポート方法
■思い描いた通りには…
大手企業の選考が一段落するこの時期、内定を得られずに落ち込む学生は少なくありません。特に今年は、例年に比べて採用枠が限られているのか、「この子だったら」と思われる学生も選から漏れているようです。
また一方で、内定は得たものの「親が納得しない」「果たして、この会社でいいのか?」などと悩む学生も少なからずいるようです。
ではこのように、本人が思い描いた結果にたどり着けず、精神的な疲れも見え始めた場合に、「親は子どもに対して、どんなサポートが出来るのか?」を考えてみましょう。
■内定が出ない?!
内定が出ないのには、原因があるはずです。にもかかわらず、多くの学生は内定が出ないという事実ばかりに意識が向いて、「原因を分析し、課題をつぶしていこう!」という気持ちになれません。
子どもに対しては、「自己分析~情報収集」「応募書類作成~エントリー」「面接・適性検査」など、就活の流れに沿って自身の就活でよかったこと、わるかったことを振り返るようにアドバイスしましょう。
例えば、「業界を絞り込みすぎて受験機会が限られていなかったか?」「応募書類は、自身のセールスポイントをうまく表現出来ていたか?」「面接では、面接官の質問に的確に答えることができたか?」など、実際に接した企業の担当者とのやりとりを思い出し、自身の就活の課題を抽出する様に導いていきましょう。
■保護者に出来ること
私が採用の現場に携わっていて、特に今年の学生に対しては「気持ちが萎縮しているな~」と感じます。面接試験で、「1年後、社会人になるにあたって、思っていることは?」などと質問します。質問者である私は、「社会人になったら、こんな風に活躍したい!」とか「今の世の中を、こんな風に変えていきたい!」など、前向きな答えを期待しているわけですが、現実には、「雇用環境が厳しく、内定がもらえるか不安」「就職活動に関し、ネガティブな情報を流さないでほしい!」などと、現状に対する不安や不満を答えてきます。
私自身も「好・不況の波が就職活動に影響するのはよくない」と強く感じてはいるものの、面接の場面で学生にそれを言われてしまうと、「採用したい」という気持ちは一気に萎えてしまいます。
保護者のみなさんには、「子どもの不安や不満を受け入れる」のと同時に、「企業が新卒社員に求めるであろうこと」や「職業人生のスタートラインに立つにあたっての心構え」などを伝えてあげて欲しいと思います。企業は、選考において、学生の「正直さ」だけでなく、「覚悟」も見極めようとしていることを理解させなくてはよい結果は得られません。
■内定は獲得したものの
一方で、内定は獲得したものの、別の問題を抱えるケースも少なからずあるようです。
一つめは、保護者の大手志向や安定志向が子どもに悪影響を与えてしまうケースです。数年前、とあるアパレル企業の内定を得た学生から、「自分は是非、その会社でチャレンジしてみたいのだが、親が納得してくれない」という相談を受けました。親は、子どもに苦労をさせたくないと考え、新興アパレル企業への就職に反対をしていたのです。その企業は、昨今の経済環境で多くの企業が苦戦を強いられる中、堅調に事業拡大を続けています。
二つめは、子ども自身の問題です。内定は承諾したものの「もしかしたらもっと自分に向いた会社があるかも知れない」「自分は社会人としてやっていけるだろうか?」などの迷いや不安が決断を鈍らせてしまうケースです。
今年、内定を獲得した学生から「大学4年生の1年間、社会に出るにあたってやっておくべきこと、役立つ資格を教えてください」という相談を受けました。その際、私が「あなたは何をやるのがいいと思う?」と質問したところ、学生からは「いろいろな人に会い、見聞を広めるのがいいかと…」と答えてくれたので、私は「そうすればいい」と言いました。
昨今、私たち保護者は、子どもの失敗を恐れるあまり、子ども自身の問題について、関与しすぎている様な気がします。私には、「社会に出る前にどんな準備をするのがよいか?」についての具体的なアドバイスは出来ませんが、「自分の人生は自分で決めるものだ!」という原則だけは伝えていく責任があると思っています。
【ワンポイントアドバイス:応募企業の幅を広げてみる】
自己分析の意識が浸透してきたあまり、「やりたい仕事」に固執して応募企業の選択の幅を狭めている学生は少なくありません。また、保護者の大手志向・安定志向が、学生の応募企業選択の足かせになっているケースもあるようです。永遠に安定した企業などあり得ないことは、周知の事実。就職活動の目的は、「職業人生のスタートラインに立つこと」であることを再認識し、応募企業の幅を広げることを薦めてみる必要があるかもしれません。
■保護者のための就活Lesson バックナンバー■
第1回:親子間でギャップ 就活の今昔(就職戦線)
http://careercrate.eshizuoka.jp/e490761.html
第2回:親ができる就活サポート(基本編)
http://careercrate.eshizuoka.jp/e500486.html
第3回:企業の採用状況、求める学生像
http://careercrate.eshizuoka.jp/e519462.html
第4回:親ができる就活サポート(試験対策編)
http://careercrate.eshizuoka.jp/e530384.html

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活動がうまくいかない子どものサポート方法
■思い描いた通りには…
大手企業の選考が一段落するこの時期、内定を得られずに落ち込む学生は少なくありません。特に今年は、例年に比べて採用枠が限られているのか、「この子だったら」と思われる学生も選から漏れているようです。
また一方で、内定は得たものの「親が納得しない」「果たして、この会社でいいのか?」などと悩む学生も少なからずいるようです。
ではこのように、本人が思い描いた結果にたどり着けず、精神的な疲れも見え始めた場合に、「親は子どもに対して、どんなサポートが出来るのか?」を考えてみましょう。
■内定が出ない?!
内定が出ないのには、原因があるはずです。にもかかわらず、多くの学生は内定が出ないという事実ばかりに意識が向いて、「原因を分析し、課題をつぶしていこう!」という気持ちになれません。
子どもに対しては、「自己分析~情報収集」「応募書類作成~エントリー」「面接・適性検査」など、就活の流れに沿って自身の就活でよかったこと、わるかったことを振り返るようにアドバイスしましょう。
例えば、「業界を絞り込みすぎて受験機会が限られていなかったか?」「応募書類は、自身のセールスポイントをうまく表現出来ていたか?」「面接では、面接官の質問に的確に答えることができたか?」など、実際に接した企業の担当者とのやりとりを思い出し、自身の就活の課題を抽出する様に導いていきましょう。
■保護者に出来ること
私が採用の現場に携わっていて、特に今年の学生に対しては「気持ちが萎縮しているな~」と感じます。面接試験で、「1年後、社会人になるにあたって、思っていることは?」などと質問します。質問者である私は、「社会人になったら、こんな風に活躍したい!」とか「今の世の中を、こんな風に変えていきたい!」など、前向きな答えを期待しているわけですが、現実には、「雇用環境が厳しく、内定がもらえるか不安」「就職活動に関し、ネガティブな情報を流さないでほしい!」などと、現状に対する不安や不満を答えてきます。
私自身も「好・不況の波が就職活動に影響するのはよくない」と強く感じてはいるものの、面接の場面で学生にそれを言われてしまうと、「採用したい」という気持ちは一気に萎えてしまいます。
保護者のみなさんには、「子どもの不安や不満を受け入れる」のと同時に、「企業が新卒社員に求めるであろうこと」や「職業人生のスタートラインに立つにあたっての心構え」などを伝えてあげて欲しいと思います。企業は、選考において、学生の「正直さ」だけでなく、「覚悟」も見極めようとしていることを理解させなくてはよい結果は得られません。
■内定は獲得したものの
一方で、内定は獲得したものの、別の問題を抱えるケースも少なからずあるようです。
一つめは、保護者の大手志向や安定志向が子どもに悪影響を与えてしまうケースです。数年前、とあるアパレル企業の内定を得た学生から、「自分は是非、その会社でチャレンジしてみたいのだが、親が納得してくれない」という相談を受けました。親は、子どもに苦労をさせたくないと考え、新興アパレル企業への就職に反対をしていたのです。その企業は、昨今の経済環境で多くの企業が苦戦を強いられる中、堅調に事業拡大を続けています。
二つめは、子ども自身の問題です。内定は承諾したものの「もしかしたらもっと自分に向いた会社があるかも知れない」「自分は社会人としてやっていけるだろうか?」などの迷いや不安が決断を鈍らせてしまうケースです。
今年、内定を獲得した学生から「大学4年生の1年間、社会に出るにあたってやっておくべきこと、役立つ資格を教えてください」という相談を受けました。その際、私が「あなたは何をやるのがいいと思う?」と質問したところ、学生からは「いろいろな人に会い、見聞を広めるのがいいかと…」と答えてくれたので、私は「そうすればいい」と言いました。
昨今、私たち保護者は、子どもの失敗を恐れるあまり、子ども自身の問題について、関与しすぎている様な気がします。私には、「社会に出る前にどんな準備をするのがよいか?」についての具体的なアドバイスは出来ませんが、「自分の人生は自分で決めるものだ!」という原則だけは伝えていく責任があると思っています。
【ワンポイントアドバイス:応募企業の幅を広げてみる】
自己分析の意識が浸透してきたあまり、「やりたい仕事」に固執して応募企業の選択の幅を狭めている学生は少なくありません。また、保護者の大手志向・安定志向が、学生の応募企業選択の足かせになっているケースもあるようです。永遠に安定した企業などあり得ないことは、周知の事実。就職活動の目的は、「職業人生のスタートラインに立つこと」であることを再認識し、応募企業の幅を広げることを薦めてみる必要があるかもしれません。
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http://careercrate.eshizuoka.jp/e500486.html
第3回:企業の採用状況、求める学生像
http://careercrate.eshizuoka.jp/e519462.html
第4回:親ができる就活サポート(試験対策編)
http://careercrate.eshizuoka.jp/e530384.html
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Posted by オルベア at 21:00│Comments(0)
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