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2008年03月05日

日本の正社員 過保護 ?

経済協力開発機構(OECD)は4日、加盟先進国の労働市場に関する分析をまとめた。日本は正社員への手厚い雇用保護をしている反面、パートなど非正社員の処遇改善が遅れていると指摘。正社員への過剰な保護を緩める政策的な取組が進んでいないと批判した上で、正社員・非正社員の待遇格差を縮めて、より効率的な労働市場を目指すべきだとした。(中略)

報告書が問題視するのは正社員保護が手厚い一方、非正社員の保護が手薄な点だ。日本の非正社員の保護指数は03年、06年とも1.3で正社員とは1.1ポイントの開きがあった。米国やOECD平均と比べても正社員の「過剰保護」が際立つ。

OECDは、正社員と非正社員の待遇格差を放置すれば、企業は正社員採用を手控え、コスト面から非正社員の依存を強め、正社員・非正社員の格差が大きい「二重労働市場」が根付いてしまうと警告した。

出所:3月5日 日本経済新聞

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記事では、「日本は正社員への手厚い雇用保護」をしているとの記述があるが、06年の日本の正社員の保護指数は「2.4」と米国の「0.2」と比べれば高いが、EUの「2.3」と比べれば過剰保護と言われる程では無い様に思う。

実際に差が大きいのは、非正社員の保護指数だ。日本の非正社員の保護指数は「1.3」と、EUの「1.9」と比べ0.6ポイント低い。結果として、正社員と非正規社員の保護指数の差は日本で1.1(2.4-1.3)ポイント、EUで0.4(2.3-1.9)となり、『日本は正社員に優しい!』ってことになる訳だ。ちなみに米国は▲0.1(0.2-0.3)と、「正社員よりも非正社員に優しい…」ということになる(?)。

「日本は、先進諸国との比較の中で、正社員と非正社員の待遇格差が大きいのは間違いない」し、格差是正が進まなければ、「企業は正社員採用を手控え『二重労働市場』が根付いてしまう可能性も大きいだろう。

日本の経営者(もちろん働く人たちも)は、もう一度、「正社員と非正社員、何処がどう違うのか?」を考えてみて欲しい。

  

Posted by オルベア at 13:28Comments(0)新聞記事