2011年07月10日
高学歴化 就職に直結せず
~労働経済白書 11年度版~
細川律夫厚生労働相は8日の閣議に2011年版「労働経済の分析(労働経済白書)」を提出した。大学進学率が1990年以降20年で急速に上昇する一方、教える内容が社会のニーズに合っていないと分析し、若者の高学歴化が必ずしも就職につながっていないと指摘した。卒業しても仕事がない若者を減らすには、大学の就職支援や、学生に教える内容の再検討が必要だと強調した。
2011年春卒業した大学生の就職率は91.1%となり、前年に比べ0.7ポイント悪化した。中学卒や高校卒は前年に比べ改善したが、大卒者の就職は依然として厳しい状況にある。足元で景気は持ち直しの途上にあり、企業の採用意欲も改善するはずだが、実際は就職率の伸びにはつながっていないと白書は指摘する。(中略)
白書は「大学定員は拡大してきたが、その際の学科構成は社会のニーズに合わせて拡大してきたとは言い難い」と厳しく評価した。(後略)
出所:2011年7月8日 日本経済新聞 夕刊
---------------------------------------------------------------------------------
う~ん、労働経済白書の内容に関する記事ですね。「高学歴化 就職に直結せず」って、大きな見出しで書かれているけれど、それって見出しになる様なコト…?
今更言うまでもないけれど、労働市場は、需要と供給のバランスで成り立っている。大学進学率が50%を超えて全入時代に入ったんだから、市場価値が無い学生は、就職が難しいのは当たり前だ。
白書では、就職難の理由は「社会のニーズに合わせた学科構成をしてこなかったのが原因だ!」と評価している様だけど、原因は学科構成の問題じゃないと思う…。新卒の求人募集内容を見れば、一部の専門職以外は、全学部・全学科採用でしょ?!
私自身、採用の仕事をしている中で、大学生に期待しているのは【応募時の専門性】ではなく、【学ぶ姿勢や社会で生きていくことの覚悟】等々…。「みんなが大学に行くから私も…」「まだ、社会に出たくないからとりあえず大学に…」といった動機のまま学生時代を過ごしている学生は、就活時に「そんな気持ちを見透かされちゃう」っていうことなんじゃないでしょうか?
ということで、厚労省がこんな評価(分析)をしているコト自体に違和感をもってしまった記事でした。

細川律夫厚生労働相は8日の閣議に2011年版「労働経済の分析(労働経済白書)」を提出した。大学進学率が1990年以降20年で急速に上昇する一方、教える内容が社会のニーズに合っていないと分析し、若者の高学歴化が必ずしも就職につながっていないと指摘した。卒業しても仕事がない若者を減らすには、大学の就職支援や、学生に教える内容の再検討が必要だと強調した。
2011年春卒業した大学生の就職率は91.1%となり、前年に比べ0.7ポイント悪化した。中学卒や高校卒は前年に比べ改善したが、大卒者の就職は依然として厳しい状況にある。足元で景気は持ち直しの途上にあり、企業の採用意欲も改善するはずだが、実際は就職率の伸びにはつながっていないと白書は指摘する。(中略)
白書は「大学定員は拡大してきたが、その際の学科構成は社会のニーズに合わせて拡大してきたとは言い難い」と厳しく評価した。(後略)
出所:2011年7月8日 日本経済新聞 夕刊
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う~ん、労働経済白書の内容に関する記事ですね。「高学歴化 就職に直結せず」って、大きな見出しで書かれているけれど、それって見出しになる様なコト…?
今更言うまでもないけれど、労働市場は、需要と供給のバランスで成り立っている。大学進学率が50%を超えて全入時代に入ったんだから、市場価値が無い学生は、就職が難しいのは当たり前だ。
白書では、就職難の理由は「社会のニーズに合わせた学科構成をしてこなかったのが原因だ!」と評価している様だけど、原因は学科構成の問題じゃないと思う…。新卒の求人募集内容を見れば、一部の専門職以外は、全学部・全学科採用でしょ?!
私自身、採用の仕事をしている中で、大学生に期待しているのは【応募時の専門性】ではなく、【学ぶ姿勢や社会で生きていくことの覚悟】等々…。「みんなが大学に行くから私も…」「まだ、社会に出たくないからとりあえず大学に…」といった動機のまま学生時代を過ごしている学生は、就活時に「そんな気持ちを見透かされちゃう」っていうことなんじゃないでしょうか?
ということで、厚労省がこんな評価(分析)をしているコト自体に違和感をもってしまった記事でした。

2011年04月02日
派遣各社、休業手当に苦心
~派遣先、支払い拒否も~
東日本大震災による工場や事業所の操業休止が続く中、人材派遣各社が自宅などで待機中の派遣労働者に払う休業手当に頭を痛めている。一部の派遣先企業は休業手当分の料金を払ってくれないためだ。派遣会社が費用を負担する例もあり、収益を圧迫しつつある。
「競うように被災地に義援金を贈るのもいいけど、自社で働く派遣労働者の生活も配慮してほしい」。ある人材派遣会社の幹部は休業手当分の料金の支払いを拒む顧客企業の対応を批判する。(中略)
労働基準法によると、天災で休業した場合、雇用主は労働者に休業手当を払う必要はない。ただ派遣会社の場合、特定の拠点が被災し就業できなくなった時に他拠点への派遣を検討しなければならず、一般の企業に比べて条件は厳しい。(後略)
出所:3月31日 日本経済新聞
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東日本大震災において被災された皆様には、心よりお見舞い申し上げます。
また、一日も早い復旧をお祈りいたします。
そんな中、新聞記事の「競うように被災地に義援金を贈るのもいいけど…」という人材派遣会社幹部の、「一風、批判を浴びるんじゃないか…?」と心配させるようなコメントが…。
ただ、冷静に考えれば、このコメントの持つ意味や重大さはわかるハズ。もちろん、義援金も大切だけど、家を失ったみなさんのサポートだけでは、到底、問題の解決にならないということ。
『産業復興による雇用創出が出来ないことには、日本の再生はあり得ない』ということなんだろう。私は、人材関係の仕事に携わらせていただいていることもあって、そのことをひしひしと感じる。
国が早急に復興計画を提示することは最低必要条件だとしても、私たちは、ムードだけに流されるのではなく、モノの本質を理解して行動することが大切だ。

東日本大震災による工場や事業所の操業休止が続く中、人材派遣各社が自宅などで待機中の派遣労働者に払う休業手当に頭を痛めている。一部の派遣先企業は休業手当分の料金を払ってくれないためだ。派遣会社が費用を負担する例もあり、収益を圧迫しつつある。
「競うように被災地に義援金を贈るのもいいけど、自社で働く派遣労働者の生活も配慮してほしい」。ある人材派遣会社の幹部は休業手当分の料金の支払いを拒む顧客企業の対応を批判する。(中略)
労働基準法によると、天災で休業した場合、雇用主は労働者に休業手当を払う必要はない。ただ派遣会社の場合、特定の拠点が被災し就業できなくなった時に他拠点への派遣を検討しなければならず、一般の企業に比べて条件は厳しい。(後略)
出所:3月31日 日本経済新聞
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東日本大震災において被災された皆様には、心よりお見舞い申し上げます。
また、一日も早い復旧をお祈りいたします。
そんな中、新聞記事の「競うように被災地に義援金を贈るのもいいけど…」という人材派遣会社幹部の、「一風、批判を浴びるんじゃないか…?」と心配させるようなコメントが…。
ただ、冷静に考えれば、このコメントの持つ意味や重大さはわかるハズ。もちろん、義援金も大切だけど、家を失ったみなさんのサポートだけでは、到底、問題の解決にならないということ。
『産業復興による雇用創出が出来ないことには、日本の再生はあり得ない』ということなんだろう。私は、人材関係の仕事に携わらせていただいていることもあって、そのことをひしひしと感じる。
国が早急に復興計画を提示することは最低必要条件だとしても、私たちは、ムードだけに流されるのではなく、モノの本質を理解して行動することが大切だ。

2011年03月19日
取り戻したのは希望
~村上龍さん、米紙に寄稿~
17日付の米紙ニューヨーク・タイムズは、作家村上龍さんが東日本大震災について「失った全ての代わりに日本人が唯一取り戻したのが希望だ」とした横浜市からの寄稿を掲載した。自らの小説で、若者が「この国には何でもあるが、希望だけがない」という内容の演説をする場面を挙げ、逆のことが起きたと述べた。
村上さんは、福島の原発事故の不安から東京を離れる人がいる一方「仕事がある」「友達がいるから」「チェルノブイリ級の事故になっても福島は東京から170マイルも離れている」と残る人もいることを紹介した。「私は今いる場所に家族や友人、全ての被災者と心を共にして残りたい。彼らが私に勇気を与えてくれるように、私も彼らをどうにか勇気づけたい」と記している。
避難所や東京での物資不足に触れるとともに「大地震と津波は多くの生命と財産も奪った。しかし繁栄に心を奪われていた私たちは希望の種を再びまいた。私は信じることを選ぶ」とした。
出所:3月19日 静岡新聞
----------------------------------------------------------------------------------------
東日本大地震。発生当初の衝撃は大きかったが、実際の被害は、当初想像したレベルを遙かに超えるモノであることが明らかになりつつある。
大切なのは、これからだ。「起きてしまった惨事をどう捉え、どう対処していくことが出来るのか」を、わたしたちひとりひとりが問われているような気がする。
『希望』を胸に前を向いて生きていこう。

17日付の米紙ニューヨーク・タイムズは、作家村上龍さんが東日本大震災について「失った全ての代わりに日本人が唯一取り戻したのが希望だ」とした横浜市からの寄稿を掲載した。自らの小説で、若者が「この国には何でもあるが、希望だけがない」という内容の演説をする場面を挙げ、逆のことが起きたと述べた。
村上さんは、福島の原発事故の不安から東京を離れる人がいる一方「仕事がある」「友達がいるから」「チェルノブイリ級の事故になっても福島は東京から170マイルも離れている」と残る人もいることを紹介した。「私は今いる場所に家族や友人、全ての被災者と心を共にして残りたい。彼らが私に勇気を与えてくれるように、私も彼らをどうにか勇気づけたい」と記している。
避難所や東京での物資不足に触れるとともに「大地震と津波は多くの生命と財産も奪った。しかし繁栄に心を奪われていた私たちは希望の種を再びまいた。私は信じることを選ぶ」とした。
出所:3月19日 静岡新聞
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東日本大地震。発生当初の衝撃は大きかったが、実際の被害は、当初想像したレベルを遙かに超えるモノであることが明らかになりつつある。
大切なのは、これからだ。「起きてしまった惨事をどう捉え、どう対処していくことが出来るのか」を、わたしたちひとりひとりが問われているような気がする。
『希望』を胸に前を向いて生きていこう。

2011年03月09日
長期的な人生設計支援
~女子大生の就業教育~
出産しても仕事を続ける?家庭に入る?「何処に就職するか」より「どんな働き方をしたいか」に焦点を当てた女子学生向け就業教育に、大学が取り組み始めた。男女雇用機会均等法の施行(1986年)から25年、多様なコースを歩む女性たちの経験が蓄積し、課題が見えてきたことが大きい。(中略)
立教大も2009年度から「女子学生キャリア支援プロジェクト」を始めた。成田康昭キャリアセンター部長は「夫婦共働きでないと生計維持は難しい時代だし、企業は女性の能力を求めているのに、女子学生は専業主婦志向が強く働き方の選択がずれている」と言う。
成田センター部長が危惧する存在が女子学生の母親たち。40~50代で専業主婦も多い世代のため「過去の価値観のまま『苦労して働かなくても』と娘の就業意欲をそいでしまう」と指摘。母親に代わる助言者が必要と、働く女性から学生が話を聞く機会を設けている。
「面接の受け方といったスキルだけでなく、長期的な人生設計を視野に入れた支援が必要だ」(後略)
出所:3月8日 静岡新聞
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「何処に就職するか」より「どんな働き方をしたいか」に焦点を当てた就業教育、大賛成。立教大の「女子学生キャリア支援プロジェクト」への取り組みもすごくいいと思う。
ただ、娘(女子学生)の就業意欲をそいでいるのは、母親ばかりではない様にも感じている。確かに、『女性の能力を求める企業』も増えてはきているけれど、特に地方では、まだまだ少数派。「女子社員は男子社員のサポート役」なんて思っている経営者は少なくないんじゃないだろうか…。
女子学生に対しての「母親に代わる助言者」だけじゃなく、企業に対する「女性社員活用の助言者」も必要なのかもしれない。
加えて、何故、就業教育でスポットを当てるのが女子学生だけというのも気になるところだ。日本型雇用慣行が崩壊(まだ崩壊していないか…?)したと言われている現代、男性だって、「何処に就職するか」より「どんな働き方をしたいか」が重要になっているハズなのに…。
文句ばっかり言っていると思われちゃったかもしれないけれど、「就活のHow toばかりに着目する就活指導と比べれば、スゴ~イ進歩だと思っている」ことは付け加えておきたい。
女子学生に限ることなく、「日本の老若男女が『主体的に仕事をするコト』の楽しさと大切さを伝えていかなくちゃ~」と思わせてくれる記事でした。

出産しても仕事を続ける?家庭に入る?「何処に就職するか」より「どんな働き方をしたいか」に焦点を当てた女子学生向け就業教育に、大学が取り組み始めた。男女雇用機会均等法の施行(1986年)から25年、多様なコースを歩む女性たちの経験が蓄積し、課題が見えてきたことが大きい。(中略)
立教大も2009年度から「女子学生キャリア支援プロジェクト」を始めた。成田康昭キャリアセンター部長は「夫婦共働きでないと生計維持は難しい時代だし、企業は女性の能力を求めているのに、女子学生は専業主婦志向が強く働き方の選択がずれている」と言う。
成田センター部長が危惧する存在が女子学生の母親たち。40~50代で専業主婦も多い世代のため「過去の価値観のまま『苦労して働かなくても』と娘の就業意欲をそいでしまう」と指摘。母親に代わる助言者が必要と、働く女性から学生が話を聞く機会を設けている。
「面接の受け方といったスキルだけでなく、長期的な人生設計を視野に入れた支援が必要だ」(後略)
出所:3月8日 静岡新聞
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「何処に就職するか」より「どんな働き方をしたいか」に焦点を当てた就業教育、大賛成。立教大の「女子学生キャリア支援プロジェクト」への取り組みもすごくいいと思う。
ただ、娘(女子学生)の就業意欲をそいでいるのは、母親ばかりではない様にも感じている。確かに、『女性の能力を求める企業』も増えてはきているけれど、特に地方では、まだまだ少数派。「女子社員は男子社員のサポート役」なんて思っている経営者は少なくないんじゃないだろうか…。
女子学生に対しての「母親に代わる助言者」だけじゃなく、企業に対する「女性社員活用の助言者」も必要なのかもしれない。
加えて、何故、就業教育でスポットを当てるのが女子学生だけというのも気になるところだ。日本型雇用慣行が崩壊(まだ崩壊していないか…?)したと言われている現代、男性だって、「何処に就職するか」より「どんな働き方をしたいか」が重要になっているハズなのに…。
文句ばっかり言っていると思われちゃったかもしれないけれど、「就活のHow toばかりに着目する就活指導と比べれば、スゴ~イ進歩だと思っている」ことは付け加えておきたい。
女子学生に限ることなく、「日本の老若男女が『主体的に仕事をするコト』の楽しさと大切さを伝えていかなくちゃ~」と思わせてくれる記事でした。

2011年03月02日
「住めば都」で就活せよ
~サラリーマン生態学・江波戸哲夫~
この十ン年、苦労続きの経営者Sが、新聞で見た就活学生のコメントに失笑をもらした。
「『自分に合った仕事に就くことはもう諦めて、どこでもいいから就職したい』だとよ。仕事の中身もろくに知らないくせに、自分に合ったも合わないもないだろう」
私はうなずいた。たしかに彼らは仕事について、ごく表層のイメージしか持っていないのに、自分に合う仕事かどうかを気にしすぎる。
中でも「企画・開発部門」が人気だというから、創造的な仕事がしたいのだろう。気持ちは分かるが大きな誤解がある。(後略)
出所:3月2日 日本経済新聞 夕刊
--------------------------------------------------
上の記事は、いつも楽しみに読んでいる日経の『サラリーマン生態学(いきざまがく)』の一節だ。
まぁ、学校や親からは「なりたい自分を見つけなさい!」なんて教育されてきた学生にしてみれば、「デリカシーのかけらも感じられない記事だ!」と思うかもしれないけれど、私自身は江波戸氏に同意しちゃう。
ただ、「どこでもいいから就職したい」では、職業人生のスタートラインに立つことは難しいだろうとも思う。だって、「どこでもいいと思って御社に応募しました」って顔に書いてある学生、採用したいなんて経営者いないでしょ…
特に今年の就活生のエントリーシートを見て感じるのは、「何でもやります、頑張ります。」と減点されない様に、内へ内へと向かう学生たちの空気感。う~ん、読んでいて辛くなっちゃうヨ!?
「じゃ~、どうすりゃいいの?」という学生の叫びが聞こえてきそうだが…。
私自身が明確な答えを持っているわけじゃないけれど(そもそも万人にとっての正解なんかあるわけがない)、悩み考え続けた自分なりの答えを格好つけずに企業にぶつけることが必要条件になるんじゃないでしょうか。

この十ン年、苦労続きの経営者Sが、新聞で見た就活学生のコメントに失笑をもらした。
「『自分に合った仕事に就くことはもう諦めて、どこでもいいから就職したい』だとよ。仕事の中身もろくに知らないくせに、自分に合ったも合わないもないだろう」
私はうなずいた。たしかに彼らは仕事について、ごく表層のイメージしか持っていないのに、自分に合う仕事かどうかを気にしすぎる。
中でも「企画・開発部門」が人気だというから、創造的な仕事がしたいのだろう。気持ちは分かるが大きな誤解がある。(後略)
出所:3月2日 日本経済新聞 夕刊
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上の記事は、いつも楽しみに読んでいる日経の『サラリーマン生態学(いきざまがく)』の一節だ。
まぁ、学校や親からは「なりたい自分を見つけなさい!」なんて教育されてきた学生にしてみれば、「デリカシーのかけらも感じられない記事だ!」と思うかもしれないけれど、私自身は江波戸氏に同意しちゃう。
ただ、「どこでもいいから就職したい」では、職業人生のスタートラインに立つことは難しいだろうとも思う。だって、「どこでもいいと思って御社に応募しました」って顔に書いてある学生、採用したいなんて経営者いないでしょ…
特に今年の就活生のエントリーシートを見て感じるのは、「何でもやります、頑張ります。」と減点されない様に、内へ内へと向かう学生たちの空気感。う~ん、読んでいて辛くなっちゃうヨ!?
「じゃ~、どうすりゃいいの?」という学生の叫びが聞こえてきそうだが…。
私自身が明確な答えを持っているわけじゃないけれど(そもそも万人にとっての正解なんかあるわけがない)、悩み考え続けた自分なりの答えを格好つけずに企業にぶつけることが必要条件になるんじゃないでしょうか。

2011年02月19日
大学進学断念「学費で」7割
~支援制度充実求める~
大学進学を断念した理由について、7割の高校が「学費や入学後の費用」を挙げたことが教育情報会社「ライセンスアカデミー」の調査で分かった。
大学進学率が低い高校で学費を理由とする生徒が多い傾向が目立った。国は大学の授業料減免対象者の拡充などに取り組んでいるが、景気低下で学費負担がなお重いことが浮き彫りになった。(中略)
「貸与奨学金や教育ローンを借りてでも進学した方が良いか」との問いには、56.6%の教員が「そう思う」と回答。しかし、進学率の低い高校ほど割合は減り、同30%未満は38.1%になった。大学生の就職状況が厳しくなっており、奨学金を返済できるか不安なため生徒に勧めにくいと感じる教員が多いという。(後略)
2月18日 日本経済新聞
-------------------------------------------------------------------------
「経済的理由で大学進学を断念しなくてはならない」、こんな記事を読んで「日本はそんな国になって欲しくない」と思うのは私だけじゃないハズ。国には、是非ともやる気のある学生が勉強できる環境を提供して欲しい。
その一方で、多くの大学生と接する中、この機会に、今一度「『大学進学の意味』を考えてもいいんじゃないかな~」とも思う。
進学率が50%を超えた昨今、大学進学したから就職が有利になるわけではないし、「みんなが行くからとりあえず私も…」という程度の気持ちで投資する金額としては、あまりにも大き過ぎる。
思いもつかなかったコトを学べたり、経験できるのが大学生だったりするので、何を学ぶのかを具体的にイメージするのは難しいけれど、少なくとも「進学すべきか、その必要は無いか」と自問自答する、若しくは、親や先生と話し合うことは必要なんじゃないでしょうか。

大学進学を断念した理由について、7割の高校が「学費や入学後の費用」を挙げたことが教育情報会社「ライセンスアカデミー」の調査で分かった。
大学進学率が低い高校で学費を理由とする生徒が多い傾向が目立った。国は大学の授業料減免対象者の拡充などに取り組んでいるが、景気低下で学費負担がなお重いことが浮き彫りになった。(中略)
「貸与奨学金や教育ローンを借りてでも進学した方が良いか」との問いには、56.6%の教員が「そう思う」と回答。しかし、進学率の低い高校ほど割合は減り、同30%未満は38.1%になった。大学生の就職状況が厳しくなっており、奨学金を返済できるか不安なため生徒に勧めにくいと感じる教員が多いという。(後略)
2月18日 日本経済新聞
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「経済的理由で大学進学を断念しなくてはならない」、こんな記事を読んで「日本はそんな国になって欲しくない」と思うのは私だけじゃないハズ。国には、是非ともやる気のある学生が勉強できる環境を提供して欲しい。
その一方で、多くの大学生と接する中、この機会に、今一度「『大学進学の意味』を考えてもいいんじゃないかな~」とも思う。
進学率が50%を超えた昨今、大学進学したから就職が有利になるわけではないし、「みんなが行くからとりあえず私も…」という程度の気持ちで投資する金額としては、あまりにも大き過ぎる。
思いもつかなかったコトを学べたり、経験できるのが大学生だったりするので、何を学ぶのかを具体的にイメージするのは難しいけれど、少なくとも「進学すべきか、その必要は無いか」と自問自答する、若しくは、親や先生と話し合うことは必要なんじゃないでしょうか。

2011年01月31日
自主性と団結力深化
~アジア杯サッカー~
前回優勝から6年半。若い世代が台頭した日本は自主性と団結力を深化させて、アジア王者に返り咲いた。銀色に輝くカップを掲げた27歳の長谷部主将は「日本の底力を見せられた。若いチームで勝てたのは意義がある」と語った。
後半も相手の高さに脅かされる展開が続いた。そこでザッケローニ監督は右MFの藤本に代えてDF岩政を投入し、DF今野を中盤の底に据える指示を出した。
だが、今野は手ぶりで「ノー」と返答。長友がタッチライン越しに監督と言葉を交わした。「選手で話し合って監督に伝えた」。ピッチ上の一致した意見は長友がMFに上がり、今野が左サイドバックに入ることだった。その長友が延長後半に左クロスで李の決勝点を引きだした。(後略)
出所:1月31日 静岡新聞
---------------------------------------------------------------------------------
サッカー・アジア杯の決勝戦、多くの日本人がテレビの前に釘付けになってしまった。新聞やテレビで報道されているように、素晴らしいチームワークで勝ち上がっていく姿が、国民の共感を生んだんだろう。
ただ、個人的には、チームワークばかりが強調される報道内容には、若干の違和感があったのも事実。だって、代表選手たちは、チームメイトであるのと同時にレギュラー争いをしているライバルなんだから…。
そんな風に思っていた私の目に飛び込んできた新聞の見出し『自主性と団結力深化』。まさに我が意を得たりって感じです。
日本代表に選ばれるような連中は、海外で活躍している選手に代表されるように、ひとりひとりが「もっと上手くなりたい。あいつには負けたくない」って頑張っているわけだから…。まさに私の理想とする「自律心」と「人間関係力」の具現化です。
人の応援ばっかりじゃなく、私たちひとりひとりが、自分のフィールドで「負けちゃいられない!」と自分自身を鼓舞しなくっちゃいけませんよネ!?

前回優勝から6年半。若い世代が台頭した日本は自主性と団結力を深化させて、アジア王者に返り咲いた。銀色に輝くカップを掲げた27歳の長谷部主将は「日本の底力を見せられた。若いチームで勝てたのは意義がある」と語った。
後半も相手の高さに脅かされる展開が続いた。そこでザッケローニ監督は右MFの藤本に代えてDF岩政を投入し、DF今野を中盤の底に据える指示を出した。
だが、今野は手ぶりで「ノー」と返答。長友がタッチライン越しに監督と言葉を交わした。「選手で話し合って監督に伝えた」。ピッチ上の一致した意見は長友がMFに上がり、今野が左サイドバックに入ることだった。その長友が延長後半に左クロスで李の決勝点を引きだした。(後略)
出所:1月31日 静岡新聞
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サッカー・アジア杯の決勝戦、多くの日本人がテレビの前に釘付けになってしまった。新聞やテレビで報道されているように、素晴らしいチームワークで勝ち上がっていく姿が、国民の共感を生んだんだろう。
ただ、個人的には、チームワークばかりが強調される報道内容には、若干の違和感があったのも事実。だって、代表選手たちは、チームメイトであるのと同時にレギュラー争いをしているライバルなんだから…。
そんな風に思っていた私の目に飛び込んできた新聞の見出し『自主性と団結力深化』。まさに我が意を得たりって感じです。
日本代表に選ばれるような連中は、海外で活躍している選手に代表されるように、ひとりひとりが「もっと上手くなりたい。あいつには負けたくない」って頑張っているわけだから…。まさに私の理想とする「自律心」と「人間関係力」の具現化です。
人の応援ばっかりじゃなく、私たちひとりひとりが、自分のフィールドで「負けちゃいられない!」と自分自身を鼓舞しなくっちゃいけませんよネ!?

2011年01月09日
新規求人4割がパート
~厳しさ続く雇用情勢~
企業が正社員の採用に慎重な姿勢を崩していない。内閣府がまとめた報告書によると、新規求人数に占めるパート労働者の割合は2008年秋のリーマン・ショックの影響で上昇。10年10月までで従業員が500人以上の企業で41%、99人以下では39%に上る。
景気後退は09年3月に終わり、翌月から拡大局面に入ったが、フルタイムで働きたいと思っている「不本意なパート労働者」の割合は依然として高水準。10年7~9月期は5.4%と景気後退期よりも高く、雇用情勢の厳しさを物語る。(中略)
管直人首相は11年度予算案に雇用創出を多く盛り込み、企業に採用拡大を促している。しかし、景気の先行きは不透明で、企業の採用意欲が上向くとは限らない。
出所:1月8日 静岡新聞
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う~ん、厳しい雇用情勢が続いているのは間違いありません。ただ「この厳しい雇用情勢は、景気の影響ばかりじゃないだろう」と思っているのは私だけじゃないんだろう。
私は、パート労働者の割合が増えていくことを「是だ!」と言うつもりはない。けれど、経済のグローバル化が進み、産業構造が大きく変化する中、景気がよかろうと悪かろうと、企業は旧来型の正社員(終身雇用・年功序列)の割合を増やすことはしないと思う。
企業の立場に立って考えれば、「今の会社にしがみつきたい」と思う社員を増やすことをリスクと捉えることは想像に難くないし…。
そんな風に思いつつ、今の政府の施策を見てみると…。「マニュフェストにある最低賃金は全国平均1000円」「改正派遣法」「非正規の待遇改善議論」等々、終身雇用制度がセーフティーネットと位置づけたかのような施策が並ぶのを見ると、「大丈夫?!」と不安な気持ちになってしまう。
管首相が、いくら声高に「一に雇用、二に雇用!」と叫んだって、企業は、無い袖は振れないんだから…。
この辺りで、「そもそも正社員って何なのか?」含み、【雇用の概念を再定義】していく必要があるんじゃないでしょうか?!

企業が正社員の採用に慎重な姿勢を崩していない。内閣府がまとめた報告書によると、新規求人数に占めるパート労働者の割合は2008年秋のリーマン・ショックの影響で上昇。10年10月までで従業員が500人以上の企業で41%、99人以下では39%に上る。
景気後退は09年3月に終わり、翌月から拡大局面に入ったが、フルタイムで働きたいと思っている「不本意なパート労働者」の割合は依然として高水準。10年7~9月期は5.4%と景気後退期よりも高く、雇用情勢の厳しさを物語る。(中略)
管直人首相は11年度予算案に雇用創出を多く盛り込み、企業に採用拡大を促している。しかし、景気の先行きは不透明で、企業の採用意欲が上向くとは限らない。
出所:1月8日 静岡新聞
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う~ん、厳しい雇用情勢が続いているのは間違いありません。ただ「この厳しい雇用情勢は、景気の影響ばかりじゃないだろう」と思っているのは私だけじゃないんだろう。
私は、パート労働者の割合が増えていくことを「是だ!」と言うつもりはない。けれど、経済のグローバル化が進み、産業構造が大きく変化する中、景気がよかろうと悪かろうと、企業は旧来型の正社員(終身雇用・年功序列)の割合を増やすことはしないと思う。
企業の立場に立って考えれば、「今の会社にしがみつきたい」と思う社員を増やすことをリスクと捉えることは想像に難くないし…。
そんな風に思いつつ、今の政府の施策を見てみると…。「マニュフェストにある最低賃金は全国平均1000円」「改正派遣法」「非正規の待遇改善議論」等々、終身雇用制度がセーフティーネットと位置づけたかのような施策が並ぶのを見ると、「大丈夫?!」と不安な気持ちになってしまう。
管首相が、いくら声高に「一に雇用、二に雇用!」と叫んだって、企業は、無い袖は振れないんだから…。
この辺りで、「そもそも正社員って何なのか?」含み、【雇用の概念を再定義】していく必要があるんじゃないでしょうか?!

2011年01月08日
会社説明会12月以降に
~就活長期化に歯止め~
日本経団連は7日までに、大学卒業者の就職活動の長期化に歯止めをかけるため、会社説明会などの開催時期を大学3年生(大学院は修士課程1年)の12月1日以降とするよう、会員企業に要請する方針を固めた。
2013年4月の入社予定者から適用する。長引く就職活動が学業の妨げになっているとの批判を踏まえ、会社説明会や、企業のホームページを通じた入社希望学生の登録受付けなどを行う時期を、現在よりも遅らせる。(中略)
新卒採用をめぐっては、商社の業界団体である日本貿易会が、入社試験や面接といった選考活動も大学4年生(大学院は修士2年)の夏以降に遅らせることを提唱している。しかし、業種・企業によって賛否が分かれているため、今回は選考時期見直しを見送り、従来通り大学4年生の4月1日以降とする。
出所:1月7日 静岡新聞
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確かに就活長期化は問題だし、長期化に歯止めをかける必要性は感じますね。
ただ、「経団連の会員企業への要請だけで、長期化は止められるんだろうか?【要請=実行】というわけにはいかないだろうし…」とも思います。そもそも会員企業って1,600社強くらいしか無いわけだし…
私見を言わせていただくのであれば、歯止めをかける一番手っ取り早い方法は、就職情報サイト各社にサイトオープン時期を遅らせることを要請することだと思います。善しにつけ悪しにつけ、現在の就活は就職情報サイトなしには語れなくなっているから。
そんな中、厚生労働省の発表で、「菅総理大臣の指示に基づき、就職情報サイト『リクナビ2011』『マイナビ2011』に協力をいただき、新卒者・既卒者の就職を支援するための告知枠を無償提供いただくことになった」旨の記事が出てました。
政府が就活の長期化をどう考えているのかは知らないけれど、もし『長期化、問題アリ』だと思うのであれば、「就職情報サイト各社にサイトオープン時期を遅らせることを要請した方が早いんじゃないの」なんて思っちゃいます。

日本経団連は7日までに、大学卒業者の就職活動の長期化に歯止めをかけるため、会社説明会などの開催時期を大学3年生(大学院は修士課程1年)の12月1日以降とするよう、会員企業に要請する方針を固めた。
2013年4月の入社予定者から適用する。長引く就職活動が学業の妨げになっているとの批判を踏まえ、会社説明会や、企業のホームページを通じた入社希望学生の登録受付けなどを行う時期を、現在よりも遅らせる。(中略)
新卒採用をめぐっては、商社の業界団体である日本貿易会が、入社試験や面接といった選考活動も大学4年生(大学院は修士2年)の夏以降に遅らせることを提唱している。しかし、業種・企業によって賛否が分かれているため、今回は選考時期見直しを見送り、従来通り大学4年生の4月1日以降とする。
出所:1月7日 静岡新聞
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確かに就活長期化は問題だし、長期化に歯止めをかける必要性は感じますね。
ただ、「経団連の会員企業への要請だけで、長期化は止められるんだろうか?【要請=実行】というわけにはいかないだろうし…」とも思います。そもそも会員企業って1,600社強くらいしか無いわけだし…
私見を言わせていただくのであれば、歯止めをかける一番手っ取り早い方法は、就職情報サイト各社にサイトオープン時期を遅らせることを要請することだと思います。善しにつけ悪しにつけ、現在の就活は就職情報サイトなしには語れなくなっているから。
そんな中、厚生労働省の発表で、「菅総理大臣の指示に基づき、就職情報サイト『リクナビ2011』『マイナビ2011』に協力をいただき、新卒者・既卒者の就職を支援するための告知枠を無償提供いただくことになった」旨の記事が出てました。
政府が就活の長期化をどう考えているのかは知らないけれど、もし『長期化、問題アリ』だと思うのであれば、「就職情報サイト各社にサイトオープン時期を遅らせることを要請した方が早いんじゃないの」なんて思っちゃいます。

2010年08月07日
新入社員「海外勤務は嫌」半数
~内向き志向くっきり~
海外勤務を望まない新入社員は2人に1人-。産業能率大学が28日発表したアンケート調査で、内向き志向を強める若者の実態が浮かび上がった。携帯電話のように日本国内で独自の進化を遂げて世界標準から掛け離れてしまう現象を「ガラパゴス化がはじまるかも」と危惧している。(中略)
海外で「働きたくない」と応えた新人は49%。07年調査での36%から大幅に増えた。理由としては「海外はリスクが高い」(56%)、「能力に自信がない」(55%)、「海外に魅力を感じない」(44%)との回答が多かった。
一方、「どんな国でも働きたい」と答えた新入社員は27%で、こちらも3年前の18%から増加。人材の二極化が進んでおり、産能大は「海外志向が強い人材の確保に向けた企業間の争奪戦が注目される」と指摘している。
出所:7月30日 静岡新聞
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「海外で働きたくない」という内向き志向の学生が多いっていう記事ですね。
昨今、【内向きな若者…】に関しては、いろんな調査や実生活の中でも語られることが多いので、さほど大きな驚きも感じません。
私と同世代の人の中には、商社マンやメーカーの海外営業なんかの職に就き、世界を相手に頑張っていた人もいるし、そんな人たちのガンバリがいまの日本の発展の重要な役割を果たしたのは間違いないと思うけど、そんな人はごく少数…。
私をはじめ多くの若者は、そんな大志も無かったし、「海外で働く、なんて考えたこともない」なんて人がほとんどだったんじゃないでしょうか?
ということで、中高年の私たちが「今の若者を批評したり叱咤する資格なんてないよな~」とも思います。ただ、私の若い頃とは経済・社会環境も変わってきているし、私自身のモノの見方も変わってきているので、「海外に目を向ける若者が増えるといいな~」とは思いますが…。
そんな観点でこの記事を読み返してみると、「どんな国でも働きたい」と答える新入社員が27%もいるのは、驚きだし、「これって結構スゴクない!?」なんて感じちゃいます。しかも3年前と比べて9ポイントも増えている。
国内でも国外でもいいけれど、日本の若者たちが元気に働いている姿をイメージしつつ、「若い連中を応援していきたいな~」と思わせてくれる記事でした。

海外勤務を望まない新入社員は2人に1人-。産業能率大学が28日発表したアンケート調査で、内向き志向を強める若者の実態が浮かび上がった。携帯電話のように日本国内で独自の進化を遂げて世界標準から掛け離れてしまう現象を「ガラパゴス化がはじまるかも」と危惧している。(中略)
海外で「働きたくない」と応えた新人は49%。07年調査での36%から大幅に増えた。理由としては「海外はリスクが高い」(56%)、「能力に自信がない」(55%)、「海外に魅力を感じない」(44%)との回答が多かった。
一方、「どんな国でも働きたい」と答えた新入社員は27%で、こちらも3年前の18%から増加。人材の二極化が進んでおり、産能大は「海外志向が強い人材の確保に向けた企業間の争奪戦が注目される」と指摘している。
出所:7月30日 静岡新聞
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「海外で働きたくない」という内向き志向の学生が多いっていう記事ですね。
昨今、【内向きな若者…】に関しては、いろんな調査や実生活の中でも語られることが多いので、さほど大きな驚きも感じません。
私と同世代の人の中には、商社マンやメーカーの海外営業なんかの職に就き、世界を相手に頑張っていた人もいるし、そんな人たちのガンバリがいまの日本の発展の重要な役割を果たしたのは間違いないと思うけど、そんな人はごく少数…。
私をはじめ多くの若者は、そんな大志も無かったし、「海外で働く、なんて考えたこともない」なんて人がほとんどだったんじゃないでしょうか?
ということで、中高年の私たちが「今の若者を批評したり叱咤する資格なんてないよな~」とも思います。ただ、私の若い頃とは経済・社会環境も変わってきているし、私自身のモノの見方も変わってきているので、「海外に目を向ける若者が増えるといいな~」とは思いますが…。
そんな観点でこの記事を読み返してみると、「どんな国でも働きたい」と答える新入社員が27%もいるのは、驚きだし、「これって結構スゴクない!?」なんて感じちゃいます。しかも3年前と比べて9ポイントも増えている。
国内でも国外でもいいけれど、日本の若者たちが元気に働いている姿をイメージしつつ、「若い連中を応援していきたいな~」と思わせてくれる記事でした。

2010年07月11日
「偉くなりたくない」顕著
~「のんびり」目標に~
日本青少年研究所は青少年研究活動の一環として日本、米国、中国、韓国の高校生の意識調査に取り組んできた。
調査で浮かび上がった日本の若者の特色に、「偉くなりたくない」という人生観がある。「偉くなると責任ばかり多くなって損をする」「リーダーになりたくない」「何の責任もなく楽しくやれれば一番よい」という考え方である。(中略)
高度経済成長を遂げた日本は、もはや食べるのに困らなくなり、着るものも他人とは一味違う“差異化”の時代に入ったといわれる。上記の意欲に関する調査で、「暮らしていける収入があればのんびりと暮らしていきたい」という考え方を、「とてもそう思う」と答えた高校生は、米国13.8%、中国17.8%、韓国21.6%に過ぎなかったのに対し、日本は42.9%にも達した。(後略)
出所:6月28日 日本経済新聞
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またまた、内にこもりがちな日本人の記事ですね~。
確かに経済成長を続けていた時代はあるけれど、『高度成長を遂げた』って表現には違和感を感じてしまいす。だって、【遂げた】っていうのはGOALにたどり着いたってことでしょ?今は食べるのに困らない“差異化”の時代かもしれないけれど、このままズ~ッとこの状態が続くとは思えない。
今までがんばってきた高齢者のみなさんが「のんびりしたい!」というのなら、わからないではないけれど、まだまだこれから頑張らなくちゃならない高校生が「のんびり暮らしていきたい!」というのには、どうにも合点がいきません。
まぁ、ここでは『暮らしていける収入があれば…』という質問なので、「収入を得るためには、きっと頑張って働いてくれるだろう…」と善意に解釈するといたしましょう。

日本青少年研究所は青少年研究活動の一環として日本、米国、中国、韓国の高校生の意識調査に取り組んできた。
調査で浮かび上がった日本の若者の特色に、「偉くなりたくない」という人生観がある。「偉くなると責任ばかり多くなって損をする」「リーダーになりたくない」「何の責任もなく楽しくやれれば一番よい」という考え方である。(中略)
高度経済成長を遂げた日本は、もはや食べるのに困らなくなり、着るものも他人とは一味違う“差異化”の時代に入ったといわれる。上記の意欲に関する調査で、「暮らしていける収入があればのんびりと暮らしていきたい」という考え方を、「とてもそう思う」と答えた高校生は、米国13.8%、中国17.8%、韓国21.6%に過ぎなかったのに対し、日本は42.9%にも達した。(後略)
出所:6月28日 日本経済新聞
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またまた、内にこもりがちな日本人の記事ですね~。
確かに経済成長を続けていた時代はあるけれど、『高度成長を遂げた』って表現には違和感を感じてしまいす。だって、【遂げた】っていうのはGOALにたどり着いたってことでしょ?今は食べるのに困らない“差異化”の時代かもしれないけれど、このままズ~ッとこの状態が続くとは思えない。
今までがんばってきた高齢者のみなさんが「のんびりしたい!」というのなら、わからないではないけれど、まだまだこれから頑張らなくちゃならない高校生が「のんびり暮らしていきたい!」というのには、どうにも合点がいきません。
まぁ、ここでは『暮らしていける収入があれば…』という質問なので、「収入を得るためには、きっと頑張って働いてくれるだろう…」と善意に解釈するといたしましょう。

2010年07月10日
起業考える人 日本39%のみ
~トップは中国の71%~
欧州連合(EU)の欧州委員会がEU、米国、日本、中国、韓国などの国民を対象にした世論調査によると、将来起業したい日本人の割合は39%にとどまった。首位の中国(71%)に大きく引き離され、EU平均や米韓も下回る最低値。
安定を重視してサラリーマンを好む国民性が表れた反面、国際的にみた起業意欲の低さは中長期的な日本経済の活力低下を招く恐れもある。(中略)
日本人は59%が「自営業者よりサラリーマン」と回答。その理由では「雇用の安定」「一定の給与がある」などの回答が上位を占めた。
出所:6月28日 日本経済新聞 夕刊
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う~ん、起業したい日本人の割合がEU平均や米中韓の中で最低値ですって…。起業がすべてではないとは思うけれど、記事にもあるように日本経済の将来を考えると憂鬱になってしまう。
サラリーマンを好むことを否定はしないけれど、中期的視野に立って考えると、私にはどうしても「サラリーマン」=「雇用の安定」という図式がイメージできません。
会社が、『「受け身で依存心が強い人でも、サラリーマンになりさえすれば大丈夫!」なんて思っている人の集合体』になってしまったら…。
こんな将来をリアルにイメージすると、憂鬱な気持ちになってしまうのは私だけじゃないですよ…、ネ?!

欧州連合(EU)の欧州委員会がEU、米国、日本、中国、韓国などの国民を対象にした世論調査によると、将来起業したい日本人の割合は39%にとどまった。首位の中国(71%)に大きく引き離され、EU平均や米韓も下回る最低値。
安定を重視してサラリーマンを好む国民性が表れた反面、国際的にみた起業意欲の低さは中長期的な日本経済の活力低下を招く恐れもある。(中略)
日本人は59%が「自営業者よりサラリーマン」と回答。その理由では「雇用の安定」「一定の給与がある」などの回答が上位を占めた。
出所:6月28日 日本経済新聞 夕刊
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う~ん、起業したい日本人の割合がEU平均や米中韓の中で最低値ですって…。起業がすべてではないとは思うけれど、記事にもあるように日本経済の将来を考えると憂鬱になってしまう。
サラリーマンを好むことを否定はしないけれど、中期的視野に立って考えると、私にはどうしても「サラリーマン」=「雇用の安定」という図式がイメージできません。
会社が、『「受け身で依存心が強い人でも、サラリーマンになりさえすれば大丈夫!」なんて思っている人の集合体』になってしまったら…。
こんな将来をリアルにイメージすると、憂鬱な気持ちになってしまうのは私だけじゃないですよ…、ネ?!

2010年05月27日
落日の向こうに実るリンゴ
~ウォール街 ラウンドアップ~
26日のダウ工業株30種平均は約3カ月半ぶりに終値で1万ドルを割り込んだ。そして、乱高下する市場は、かつて「世界の絶対支配者」のように見えたマイクロソフトに冷酷な宣告を下した。ついにアップルに時価総額で逆転されたのだ。(中略)
理由は明白だ。アップルに比べ、マイクロソフトがネット時代の新ビジネスをうまく育ててられていけないことにある。「リスクをとらないリスク」を嫌う株式市場の深層心理は消えていない。(後略)
出所:5月27日 日本経済新聞 夕刊
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僕には珍しく、「経済ネタ…?」。というかこの記事は株式市場がモチーフだけど、「リスクをとらないリスク」って、実は株式市場だけに限ったコトじゃないですよネ。
「企業は海外に出ていくことを恐れ、ガラパゴス化する」「就職希望者は、厳しい労働市場だからと大手企業への就職を望む」等々…。最近、僕が感じるのは「リスクを恐れて一歩が踏み出せない企業や人が多いんじゃない?」ということ。
これって、日本にとっての大きなリスクですよネ!?
なんて思っていたら、日経の20面【夕刊文化】で静岡県舞台芸術センター芸術総監督の宮崎聰氏がこんなこと言ってました。
「世の中は変わらないと内向きになっている今の若い人に、世界は依然として未完成であり、外に窓を開いてほしい…」と…。
御意にござります。

26日のダウ工業株30種平均は約3カ月半ぶりに終値で1万ドルを割り込んだ。そして、乱高下する市場は、かつて「世界の絶対支配者」のように見えたマイクロソフトに冷酷な宣告を下した。ついにアップルに時価総額で逆転されたのだ。(中略)
理由は明白だ。アップルに比べ、マイクロソフトがネット時代の新ビジネスをうまく育ててられていけないことにある。「リスクをとらないリスク」を嫌う株式市場の深層心理は消えていない。(後略)
出所:5月27日 日本経済新聞 夕刊
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僕には珍しく、「経済ネタ…?」。というかこの記事は株式市場がモチーフだけど、「リスクをとらないリスク」って、実は株式市場だけに限ったコトじゃないですよネ。
「企業は海外に出ていくことを恐れ、ガラパゴス化する」「就職希望者は、厳しい労働市場だからと大手企業への就職を望む」等々…。最近、僕が感じるのは「リスクを恐れて一歩が踏み出せない企業や人が多いんじゃない?」ということ。
これって、日本にとっての大きなリスクですよネ!?
なんて思っていたら、日経の20面【夕刊文化】で静岡県舞台芸術センター芸術総監督の宮崎聰氏がこんなこと言ってました。
「世の中は変わらないと内向きになっている今の若い人に、世界は依然として未完成であり、外に窓を開いてほしい…」と…。
御意にござります。

2010年05月21日
保護者のための就活Lesson 第5回
静岡新聞(5/20(木)東部・西部版、5/21(金)中部版朝刊)に記事が掲載されました。

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「文字が読み辛い」という方のためにはコチラ↓
活動がうまくいかない子どものサポート方法
■思い描いた通りには…
大手企業の選考が一段落するこの時期、内定を得られずに落ち込む学生は少なくありません。特に今年は、例年に比べて採用枠が限られているのか、「この子だったら」と思われる学生も選から漏れているようです。
また一方で、内定は得たものの「親が納得しない」「果たして、この会社でいいのか?」などと悩む学生も少なからずいるようです。
ではこのように、本人が思い描いた結果にたどり着けず、精神的な疲れも見え始めた場合に、「親は子どもに対して、どんなサポートが出来るのか?」を考えてみましょう。
■内定が出ない?!
内定が出ないのには、原因があるはずです。にもかかわらず、多くの学生は内定が出ないという事実ばかりに意識が向いて、「原因を分析し、課題をつぶしていこう!」という気持ちになれません。
子どもに対しては、「自己分析~情報収集」「応募書類作成~エントリー」「面接・適性検査」など、就活の流れに沿って自身の就活でよかったこと、わるかったことを振り返るようにアドバイスしましょう。
例えば、「業界を絞り込みすぎて受験機会が限られていなかったか?」「応募書類は、自身のセールスポイントをうまく表現出来ていたか?」「面接では、面接官の質問に的確に答えることができたか?」など、実際に接した企業の担当者とのやりとりを思い出し、自身の就活の課題を抽出する様に導いていきましょう。
■保護者に出来ること
私が採用の現場に携わっていて、特に今年の学生に対しては「気持ちが萎縮しているな~」と感じます。面接試験で、「1年後、社会人になるにあたって、思っていることは?」などと質問します。質問者である私は、「社会人になったら、こんな風に活躍したい!」とか「今の世の中を、こんな風に変えていきたい!」など、前向きな答えを期待しているわけですが、現実には、「雇用環境が厳しく、内定がもらえるか不安」「就職活動に関し、ネガティブな情報を流さないでほしい!」などと、現状に対する不安や不満を答えてきます。
私自身も「好・不況の波が就職活動に影響するのはよくない」と強く感じてはいるものの、面接の場面で学生にそれを言われてしまうと、「採用したい」という気持ちは一気に萎えてしまいます。
保護者のみなさんには、「子どもの不安や不満を受け入れる」のと同時に、「企業が新卒社員に求めるであろうこと」や「職業人生のスタートラインに立つにあたっての心構え」などを伝えてあげて欲しいと思います。企業は、選考において、学生の「正直さ」だけでなく、「覚悟」も見極めようとしていることを理解させなくてはよい結果は得られません。
■内定は獲得したものの
一方で、内定は獲得したものの、別の問題を抱えるケースも少なからずあるようです。
一つめは、保護者の大手志向や安定志向が子どもに悪影響を与えてしまうケースです。数年前、とあるアパレル企業の内定を得た学生から、「自分は是非、その会社でチャレンジしてみたいのだが、親が納得してくれない」という相談を受けました。親は、子どもに苦労をさせたくないと考え、新興アパレル企業への就職に反対をしていたのです。その企業は、昨今の経済環境で多くの企業が苦戦を強いられる中、堅調に事業拡大を続けています。
二つめは、子ども自身の問題です。内定は承諾したものの「もしかしたらもっと自分に向いた会社があるかも知れない」「自分は社会人としてやっていけるだろうか?」などの迷いや不安が決断を鈍らせてしまうケースです。
今年、内定を獲得した学生から「大学4年生の1年間、社会に出るにあたってやっておくべきこと、役立つ資格を教えてください」という相談を受けました。その際、私が「あなたは何をやるのがいいと思う?」と質問したところ、学生からは「いろいろな人に会い、見聞を広めるのがいいかと…」と答えてくれたので、私は「そうすればいい」と言いました。
昨今、私たち保護者は、子どもの失敗を恐れるあまり、子ども自身の問題について、関与しすぎている様な気がします。私には、「社会に出る前にどんな準備をするのがよいか?」についての具体的なアドバイスは出来ませんが、「自分の人生は自分で決めるものだ!」という原則だけは伝えていく責任があると思っています。
【ワンポイントアドバイス:応募企業の幅を広げてみる】
自己分析の意識が浸透してきたあまり、「やりたい仕事」に固執して応募企業の選択の幅を狭めている学生は少なくありません。また、保護者の大手志向・安定志向が、学生の応募企業選択の足かせになっているケースもあるようです。永遠に安定した企業などあり得ないことは、周知の事実。就職活動の目的は、「職業人生のスタートラインに立つこと」であることを再認識し、応募企業の幅を広げることを薦めてみる必要があるかもしれません。
■保護者のための就活Lesson バックナンバー■
第1回:親子間でギャップ 就活の今昔(就職戦線)
http://careercrate.eshizuoka.jp/e490761.html
第2回:親ができる就活サポート(基本編)
http://careercrate.eshizuoka.jp/e500486.html
第3回:企業の採用状況、求める学生像
http://careercrate.eshizuoka.jp/e519462.html
第4回:親ができる就活サポート(試験対策編)
http://careercrate.eshizuoka.jp/e530384.html

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活動がうまくいかない子どものサポート方法
■思い描いた通りには…
大手企業の選考が一段落するこの時期、内定を得られずに落ち込む学生は少なくありません。特に今年は、例年に比べて採用枠が限られているのか、「この子だったら」と思われる学生も選から漏れているようです。
また一方で、内定は得たものの「親が納得しない」「果たして、この会社でいいのか?」などと悩む学生も少なからずいるようです。
ではこのように、本人が思い描いた結果にたどり着けず、精神的な疲れも見え始めた場合に、「親は子どもに対して、どんなサポートが出来るのか?」を考えてみましょう。
■内定が出ない?!
内定が出ないのには、原因があるはずです。にもかかわらず、多くの学生は内定が出ないという事実ばかりに意識が向いて、「原因を分析し、課題をつぶしていこう!」という気持ちになれません。
子どもに対しては、「自己分析~情報収集」「応募書類作成~エントリー」「面接・適性検査」など、就活の流れに沿って自身の就活でよかったこと、わるかったことを振り返るようにアドバイスしましょう。
例えば、「業界を絞り込みすぎて受験機会が限られていなかったか?」「応募書類は、自身のセールスポイントをうまく表現出来ていたか?」「面接では、面接官の質問に的確に答えることができたか?」など、実際に接した企業の担当者とのやりとりを思い出し、自身の就活の課題を抽出する様に導いていきましょう。
■保護者に出来ること
私が採用の現場に携わっていて、特に今年の学生に対しては「気持ちが萎縮しているな~」と感じます。面接試験で、「1年後、社会人になるにあたって、思っていることは?」などと質問します。質問者である私は、「社会人になったら、こんな風に活躍したい!」とか「今の世の中を、こんな風に変えていきたい!」など、前向きな答えを期待しているわけですが、現実には、「雇用環境が厳しく、内定がもらえるか不安」「就職活動に関し、ネガティブな情報を流さないでほしい!」などと、現状に対する不安や不満を答えてきます。
私自身も「好・不況の波が就職活動に影響するのはよくない」と強く感じてはいるものの、面接の場面で学生にそれを言われてしまうと、「採用したい」という気持ちは一気に萎えてしまいます。
保護者のみなさんには、「子どもの不安や不満を受け入れる」のと同時に、「企業が新卒社員に求めるであろうこと」や「職業人生のスタートラインに立つにあたっての心構え」などを伝えてあげて欲しいと思います。企業は、選考において、学生の「正直さ」だけでなく、「覚悟」も見極めようとしていることを理解させなくてはよい結果は得られません。
■内定は獲得したものの
一方で、内定は獲得したものの、別の問題を抱えるケースも少なからずあるようです。
一つめは、保護者の大手志向や安定志向が子どもに悪影響を与えてしまうケースです。数年前、とあるアパレル企業の内定を得た学生から、「自分は是非、その会社でチャレンジしてみたいのだが、親が納得してくれない」という相談を受けました。親は、子どもに苦労をさせたくないと考え、新興アパレル企業への就職に反対をしていたのです。その企業は、昨今の経済環境で多くの企業が苦戦を強いられる中、堅調に事業拡大を続けています。
二つめは、子ども自身の問題です。内定は承諾したものの「もしかしたらもっと自分に向いた会社があるかも知れない」「自分は社会人としてやっていけるだろうか?」などの迷いや不安が決断を鈍らせてしまうケースです。
今年、内定を獲得した学生から「大学4年生の1年間、社会に出るにあたってやっておくべきこと、役立つ資格を教えてください」という相談を受けました。その際、私が「あなたは何をやるのがいいと思う?」と質問したところ、学生からは「いろいろな人に会い、見聞を広めるのがいいかと…」と答えてくれたので、私は「そうすればいい」と言いました。
昨今、私たち保護者は、子どもの失敗を恐れるあまり、子ども自身の問題について、関与しすぎている様な気がします。私には、「社会に出る前にどんな準備をするのがよいか?」についての具体的なアドバイスは出来ませんが、「自分の人生は自分で決めるものだ!」という原則だけは伝えていく責任があると思っています。
【ワンポイントアドバイス:応募企業の幅を広げてみる】
自己分析の意識が浸透してきたあまり、「やりたい仕事」に固執して応募企業の選択の幅を狭めている学生は少なくありません。また、保護者の大手志向・安定志向が、学生の応募企業選択の足かせになっているケースもあるようです。永遠に安定した企業などあり得ないことは、周知の事実。就職活動の目的は、「職業人生のスタートラインに立つこと」であることを再認識し、応募企業の幅を広げることを薦めてみる必要があるかもしれません。
■保護者のための就活Lesson バックナンバー■
第1回:親子間でギャップ 就活の今昔(就職戦線)
http://careercrate.eshizuoka.jp/e490761.html
第2回:親ができる就活サポート(基本編)
http://careercrate.eshizuoka.jp/e500486.html
第3回:企業の採用状況、求める学生像
http://careercrate.eshizuoka.jp/e519462.html
第4回:親ができる就活サポート(試験対策編)
http://careercrate.eshizuoka.jp/e530384.html
2010年04月20日
新入社員、安定が第一
~「定年まで勤務」過去最高~
社団法人日本能率協会が19日発表した新入社員の意識調査によると、「定年まで勤めたい」との回答が50.0%に上り、転職・独立志向の有無について質問を始めた1999年の調査以降、最高となった。景気低迷を背景に、安定を求める新入社員の姿が浮き彫りになった。
調査は3~4月に1107人を対象に実施。定年まで勤務希望は2004年から上昇傾向で、今年は昨年比7ポイント高。勤務年数や年齢に応じて賃金などが上がる年功序列制度の会社で働きたいとする回答も、同約9ポイント高の50.4%を占めた。(後略)
出所:4月20日 静岡新聞 朝刊
--------------------------------------------------------------
新入社員に対し、「おいおい、もうちょっと先を見渡してみろよ!?」と声を掛けたくなっちゃうような調査結果だ。
景気が悪く、先行き不透明な時代に「安心して働きたい」「安定した職場で働きたい」という気持ちは、すご~くよくわかる。ただ、これからの社会経済環境を俯瞰し、企業がどんな人材を求めているのかが理解できていれば、こんな回答は出てこないハズ。
米国でのGMの破綻、会社更生法の適用を申請した日本航空などなど、永遠に安定した企業なんてあり得ないことは周知の事実のハズ?!なのに…
現在、新卒採用の現場に携わる中でも、僕はこのあたりのギャップに呆れている。「定年まで依存し続けたい」なんて顔に書いてある学生は、「採用したくない」という企業の気持ちも察して欲しい。
頼むぜ、日本の学生諸君!!

社団法人日本能率協会が19日発表した新入社員の意識調査によると、「定年まで勤めたい」との回答が50.0%に上り、転職・独立志向の有無について質問を始めた1999年の調査以降、最高となった。景気低迷を背景に、安定を求める新入社員の姿が浮き彫りになった。
調査は3~4月に1107人を対象に実施。定年まで勤務希望は2004年から上昇傾向で、今年は昨年比7ポイント高。勤務年数や年齢に応じて賃金などが上がる年功序列制度の会社で働きたいとする回答も、同約9ポイント高の50.4%を占めた。(後略)
出所:4月20日 静岡新聞 朝刊
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新入社員に対し、「おいおい、もうちょっと先を見渡してみろよ!?」と声を掛けたくなっちゃうような調査結果だ。
景気が悪く、先行き不透明な時代に「安心して働きたい」「安定した職場で働きたい」という気持ちは、すご~くよくわかる。ただ、これからの社会経済環境を俯瞰し、企業がどんな人材を求めているのかが理解できていれば、こんな回答は出てこないハズ。
米国でのGMの破綻、会社更生法の適用を申請した日本航空などなど、永遠に安定した企業なんてあり得ないことは周知の事実のハズ?!なのに…
現在、新卒採用の現場に携わる中でも、僕はこのあたりのギャップに呆れている。「定年まで依存し続けたい」なんて顔に書いてある学生は、「採用したくない」という企業の気持ちも察して欲しい。
頼むぜ、日本の学生諸君!!

2010年04月09日
リーダーシップより協調性
~「理想の子ども像」調査~
国公立の幼稚園に通う子どもを持つ保護者に「理想の子ども像」を聞いたところ、ほぼ全員が「人に迷惑をかけない」など協調性を求めたのに対し、「リーダーシップがとれる」とした保護者は約半数にとどまったことが8日、全国国公立幼稚園長会が実施した調査で明らかになった。(中略)
子どもの理想像(複数回答)では、「人に迷惑をかけない」のほか「礼儀をわきまえる」「ルールや決まりを守れる」という項目で、「そう思う」「ややそう思う」と答えた保護者が合わせて98~99%に上った。
一方、「リーダーシップをとれる」は合わせて54%、「人より秀でたところがある」は同じく59%だった。(後略)
出所:4月8日 静岡新聞 夕刊
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「『人に迷惑をかけなければ、協調性がある』って言えるの?」と思わず問い返してみたくはなるけれど…。
それは百歩譲るとして、少なくとも、多くの保護者は「人に迷惑をかけない子ども」に育って欲しいと思っていることは、間違いないようだ。
僕は、この記事を読んで、NPO支援に携わっている加藤哲夫氏の著書『市民の日本語』を想い出した。
氏は、著書の中で共同体がなくなった現代社会において、「他人に迷惑をかけるな」ということは、「本当の自分を出すな」「孤立せよ、協力するな」というメッセージを刷り込むことと同義語だ、というようなことを言っている。
僕自身も、なんとなく「内にこもる若者が多いよな~」と感じているので、加藤氏のコメントは妙に説得力を感じてしまう。
多くの保護者が、「リーダーシップには期待しないから、人にだけは迷惑かけないでね!?」と考えているんだとすると…。
全国国公立幼稚園長会のみなさんが、「このアンケート結果に何を感じ、教育にどう活かしていくつもりなのか?」、気になります。
国公立の幼稚園に通う子どもを持つ保護者に「理想の子ども像」を聞いたところ、ほぼ全員が「人に迷惑をかけない」など協調性を求めたのに対し、「リーダーシップがとれる」とした保護者は約半数にとどまったことが8日、全国国公立幼稚園長会が実施した調査で明らかになった。(中略)
子どもの理想像(複数回答)では、「人に迷惑をかけない」のほか「礼儀をわきまえる」「ルールや決まりを守れる」という項目で、「そう思う」「ややそう思う」と答えた保護者が合わせて98~99%に上った。
一方、「リーダーシップをとれる」は合わせて54%、「人より秀でたところがある」は同じく59%だった。(後略)
出所:4月8日 静岡新聞 夕刊
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「『人に迷惑をかけなければ、協調性がある』って言えるの?」と思わず問い返してみたくはなるけれど…。
それは百歩譲るとして、少なくとも、多くの保護者は「人に迷惑をかけない子ども」に育って欲しいと思っていることは、間違いないようだ。
僕は、この記事を読んで、NPO支援に携わっている加藤哲夫氏の著書『市民の日本語』を想い出した。
氏は、著書の中で共同体がなくなった現代社会において、「他人に迷惑をかけるな」ということは、「本当の自分を出すな」「孤立せよ、協力するな」というメッセージを刷り込むことと同義語だ、というようなことを言っている。
僕自身も、なんとなく「内にこもる若者が多いよな~」と感じているので、加藤氏のコメントは妙に説得力を感じてしまう。
多くの保護者が、「リーダーシップには期待しないから、人にだけは迷惑かけないでね!?」と考えているんだとすると…。
全国国公立幼稚園長会のみなさんが、「このアンケート結果に何を感じ、教育にどう活かしていくつもりなのか?」、気になります。

2010年03月11日
働く場つくりニート支援
~「仕分け」で低就労率に批判~
家事も通学もしていない「ニート」と呼ばれる若者らの立ち直りを支援する特定非営利活動法人などが、就労の場づくりにも力を入れ始めた。立ち直りのきっかけをつかんでも、働き口が見つからずに再びやる気を失ってしまうのを防ぐ狙いだ。(中略)
千葉県浦安市で若者自立塾を手がけるNPO法人「ニュースタート」は企業との提携を模索する。卒業生を定期的に社員として受け入れてもらえるようIT企業などと話し合いを始めた。
各団体が就労の場づくりに力を入れる背景には、鳩山内閣の行政刷新会議による昨秋の事業仕分けで、「自立塾」修了社の就労率の低さが問題視され、「廃止」の判定を受けたという事情がある。(後略)
出所:3月11日 日本経済新聞
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「ニートは怠け者なんかじゃない…」と考える私にとって、強い違和感を感じさせる記事だ。
ニートの多くは対人関係や生活習慣に問題があり、悩んでいる。彼らが先ずやらなくてはならないことは、職探しではなく、対人関係や生活習慣の改善のハズ。そして、それは一朝一夕に改善できる訳ではない。
鳩山政権を批判するつもりはないけれど、「結果が出ないから『廃止』」では、問題の解決にはならないんじゃないだろうか?
『やるべきこと』=『出来ること』とは限らない。むしろ、達成のハードルは高いけれど、『やるべきこと』って多いんじゃないだろうか?事業仕分けは、『出来ないこと(結果が出にくいこと)』=『やらなくていいこといこと』というスタンスで成り立っているように感じるのは、私だけだろうか?

家事も通学もしていない「ニート」と呼ばれる若者らの立ち直りを支援する特定非営利活動法人などが、就労の場づくりにも力を入れ始めた。立ち直りのきっかけをつかんでも、働き口が見つからずに再びやる気を失ってしまうのを防ぐ狙いだ。(中略)
千葉県浦安市で若者自立塾を手がけるNPO法人「ニュースタート」は企業との提携を模索する。卒業生を定期的に社員として受け入れてもらえるようIT企業などと話し合いを始めた。
各団体が就労の場づくりに力を入れる背景には、鳩山内閣の行政刷新会議による昨秋の事業仕分けで、「自立塾」修了社の就労率の低さが問題視され、「廃止」の判定を受けたという事情がある。(後略)
出所:3月11日 日本経済新聞
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「ニートは怠け者なんかじゃない…」と考える私にとって、強い違和感を感じさせる記事だ。
ニートの多くは対人関係や生活習慣に問題があり、悩んでいる。彼らが先ずやらなくてはならないことは、職探しではなく、対人関係や生活習慣の改善のハズ。そして、それは一朝一夕に改善できる訳ではない。
鳩山政権を批判するつもりはないけれど、「結果が出ないから『廃止』」では、問題の解決にはならないんじゃないだろうか?
『やるべきこと』=『出来ること』とは限らない。むしろ、達成のハードルは高いけれど、『やるべきこと』って多いんじゃないだろうか?事業仕分けは、『出来ないこと(結果が出にくいこと)』=『やらなくていいこといこと』というスタンスで成り立っているように感じるのは、私だけだろうか?

2010年02月27日
若者7割「就職不安」
~県立大生ら調査~
県立大の学生などでつくる「若者エンパワーメント委員会(YEC)」が同市内で高校生など若者106人に行った意識調査で、7割が日本の将来を暗いと感じ、就職に対する不安を抱えていることがわかった。(中略)
「自分がダメな人間だと思うか」の質問に、「思う」「どちらかといえば思う」と答えたのは58%。「全く思わない」は13%だった。「将来仕事に就けるか不安」と答えたのは「どちらかといえば不安」を含み70%に上った。
「日本の将来は暗い」としたのは18%で、「どちらかといえば暗い」は57%。「社会は自分の力で変えられる」と思っているのは9%で、「思わない」「どちらかといえば思わない」は75%に達した。(後略)
出所:2月26日 静岡新聞
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そうそう、3月のはじめ、YECのメンバー、青葉シンボルロードでアンケートやってたね。「アンケートやってんだ…?」って聞いたら、「若い人向けです」って言われちゃった…(笑
で、アンケートですが、『自分自身に自信がもてず、将来にも希望の持てない若者の姿』が浮かび出されるような結果で、「う~ん」って唸っちゃいます。
若者たちと接していて、彼らがそんな気持ちになっちゃうのは、わからないでもないんだけれど、僕は若者の力を信じているし、若者はもちろんのこと私たちひとりひとりが『社会を変えていこう!』という意志を持つことが大切だと思ってます。
【静岡の若者の社会参画活性化を考えるシンポジウム】
明日(2月28日)は、静岡市葵区鷹匠のもくせい会館で、若者エンパワーメント委員会(YEC)主催の『静岡の若者の社会参画活性化を考えるシンポジウム』が開催されます。
URL http://ameblo.jp/youth-empowerment/
この記事に興味を持ったみなさん、是非、参加してみてはいかがでしょう。僕も聴講に行く予定です。

県立大の学生などでつくる「若者エンパワーメント委員会(YEC)」が同市内で高校生など若者106人に行った意識調査で、7割が日本の将来を暗いと感じ、就職に対する不安を抱えていることがわかった。(中略)
「自分がダメな人間だと思うか」の質問に、「思う」「どちらかといえば思う」と答えたのは58%。「全く思わない」は13%だった。「将来仕事に就けるか不安」と答えたのは「どちらかといえば不安」を含み70%に上った。
「日本の将来は暗い」としたのは18%で、「どちらかといえば暗い」は57%。「社会は自分の力で変えられる」と思っているのは9%で、「思わない」「どちらかといえば思わない」は75%に達した。(後略)
出所:2月26日 静岡新聞
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そうそう、3月のはじめ、YECのメンバー、青葉シンボルロードでアンケートやってたね。「アンケートやってんだ…?」って聞いたら、「若い人向けです」って言われちゃった…(笑
で、アンケートですが、『自分自身に自信がもてず、将来にも希望の持てない若者の姿』が浮かび出されるような結果で、「う~ん」って唸っちゃいます。
若者たちと接していて、彼らがそんな気持ちになっちゃうのは、わからないでもないんだけれど、僕は若者の力を信じているし、若者はもちろんのこと私たちひとりひとりが『社会を変えていこう!』という意志を持つことが大切だと思ってます。
【静岡の若者の社会参画活性化を考えるシンポジウム】
明日(2月28日)は、静岡市葵区鷹匠のもくせい会館で、若者エンパワーメント委員会(YEC)主催の『静岡の若者の社会参画活性化を考えるシンポジウム』が開催されます。
URL http://ameblo.jp/youth-empowerment/
この記事に興味を持ったみなさん、是非、参加してみてはいかがでしょう。僕も聴講に行く予定です。

2010年02月26日
保護者のための就活Lesson 第4回
静岡新聞(2月26日朝刊)に記事が掲載されました。

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■親が出来る就活サポート(試験対策編)
■採用試験も様変わり
企業によっては個別企業説明会、筆記試験、面接などが始まり、いよいよ本格的な就職活動の時期に入りました。親としては、厳しいと言われるわが子の就活を心配するのは当然のことでしょう。しかし、「子どもの代わりに、合同企業ガイダンスに参加する」「子どもの代わりに企業に問い合わせをする」などといったピントはずれのサポートをしてしまっては、かえって子どもの足を引っぱることになりかねません。
そこで親は何をするべきか?を探るために昨今の就職試験の概要を知ることからはじめましょう。
<書類選考>
応募者が多い企業では、履歴書やエントリーシートなどの書類によって、それ以降の選考に進む学生を絞ります。
誤字・脱字などが減点の対象になるのはもちろんのこと、内容にも気を配ります。表面的な自己分析や企業研究だけで作成したエントリーシートでは、採用担当者に入社意欲が伝わりません。
<筆記試験>
一般常識・時事問題から、国語・数学などの学力を問うもの、作文や小論文といった論理的思考能力を試すものまで、企業によって内容はさまざまです。最近では、インターネットを通じてWeb上でテストを実施する企業も出てきているようです。
また、応募者の性格や行動特性などをみるために適性検査を実施する企業も少なくありません。
<面接>
面接には、「個人面接」「集団面接」「グループディスカッション」などがあります。
質問と回答のキャッチボールで核心を導き出すことの出来る「個人面接」、応募者を同時に比較・観察する「集団面接」、自由に討議させることにより応募者の人柄・素養を観察する「グループディスカッション」など、それぞれに特徴があります。
■親にできること
就職試験の概要を見て、「私たちの時代とは違う。サポートをするのは無理!」などと感じるみなさんも多いかもしれませんが、スキルやテクニックについては「学校のキャリア支援室(学校によって呼称は異なります)」や静岡県が設置した「ヤングジョブステーション」などでも指導してくれますから、心配はいりません。
みなさんは、むしろ親でなくてはできないことをサポートするよう心がけてください。「ひとりで悩んでばかりで専門家の指導を受けようとしない子どもに、キャリア支援室に行って相談するように勧める」
「企業を選り好みして、企業説明会に出かけない子どもを叱咤する」
「面接試験でいい結果が残せず落ち込んでいる子どもを、温かく見守ってやる」
などの支えが子ども達の大きな力となります。
■やってはいけない3つの行動
逆に私が実際に学生の話を聞いたり、親の行動を観察する中で、「これはやってはいけない」と思う行動を3つあげてみました。
第1は、『押しつけ』です。「公務員試験を受けなさい」「大手企業に行きなさい」と、志望先について親の希望を押しつけるということです。中には、せっかく内定が出たのに、「聞いたことの無い会社だから、やめておきなさい」と親に言われた学生もいました。働くのは、親のあなたではありません。
第2は、『過保護』です。私自身も人事の立場で、「地元で就職させたいが、子どもが地元を離れているので会社説明会の予約方法について教えて欲しい」という親の電話を受けたことがありました。仮に、学生自身がいくら素晴らしかったとしても、「このような問い合わせをする親の子どもを、採用する気持ちにはなれない」と考えた方がよいでしょう。
第3は、『無関心』です。本当に無関心なのはもちろんのこと、リベラルな考え方を持つ親の中には「子どもの人生なんだから、子どもが自由に決めればいい」と就活に関心を持たない方もいるようです。もちろん決断するのは子どもですが、就活は子どもにとって社会と直接触れるはじめての機会であり、今の学生はそこまで成熟していません。情報不足や不安を払拭するためにも、積極的に関わりを持って欲しいと思います。
就活もいよいよ本番です。2~3月は第一幕の佳境となり、学生は精神的にも肉体的にも大きなストレスを感じる時期だと思います。親が就活を理解した上で、子どもと対話することが非常に大切です。
【ワンポイントアドバイス:子どもが地元にいない場合の対話】
私が学生時代、親元への連絡は、10円玉をたくさん用意して公衆電話を使っていました。それに比べ、現代の通信手段の進歩はめざましく、PCや携帯のメール・携帯電話の家族間通話など多種多様です。ちなみに私は娘との連絡にスカイプ(インターネット電話)を利用しています。電器店で数千円のカメラとマイクを買ってPCに接続すればテレビ電話が出来上がり、遠距離のハンデを感じることもなく快適です。
■保護者のための就活Lesson バックナンバー■
第1回:親子間でギャップ 就活の今昔(就職戦線)
http://careercrate.eshizuoka.jp/e490761.html
第2回:親ができる就活サポート(基本編)
http://careercrate.eshizuoka.jp/e500486.html
第3回:企業の採用状況、求める学生像
http://careercrate.eshizuoka.jp/e519462.html

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■親が出来る就活サポート(試験対策編)
■採用試験も様変わり
企業によっては個別企業説明会、筆記試験、面接などが始まり、いよいよ本格的な就職活動の時期に入りました。親としては、厳しいと言われるわが子の就活を心配するのは当然のことでしょう。しかし、「子どもの代わりに、合同企業ガイダンスに参加する」「子どもの代わりに企業に問い合わせをする」などといったピントはずれのサポートをしてしまっては、かえって子どもの足を引っぱることになりかねません。
そこで親は何をするべきか?を探るために昨今の就職試験の概要を知ることからはじめましょう。
<書類選考>
応募者が多い企業では、履歴書やエントリーシートなどの書類によって、それ以降の選考に進む学生を絞ります。
誤字・脱字などが減点の対象になるのはもちろんのこと、内容にも気を配ります。表面的な自己分析や企業研究だけで作成したエントリーシートでは、採用担当者に入社意欲が伝わりません。
<筆記試験>
一般常識・時事問題から、国語・数学などの学力を問うもの、作文や小論文といった論理的思考能力を試すものまで、企業によって内容はさまざまです。最近では、インターネットを通じてWeb上でテストを実施する企業も出てきているようです。
また、応募者の性格や行動特性などをみるために適性検査を実施する企業も少なくありません。
<面接>
面接には、「個人面接」「集団面接」「グループディスカッション」などがあります。
質問と回答のキャッチボールで核心を導き出すことの出来る「個人面接」、応募者を同時に比較・観察する「集団面接」、自由に討議させることにより応募者の人柄・素養を観察する「グループディスカッション」など、それぞれに特徴があります。
■親にできること
就職試験の概要を見て、「私たちの時代とは違う。サポートをするのは無理!」などと感じるみなさんも多いかもしれませんが、スキルやテクニックについては「学校のキャリア支援室(学校によって呼称は異なります)」や静岡県が設置した「ヤングジョブステーション」などでも指導してくれますから、心配はいりません。
みなさんは、むしろ親でなくてはできないことをサポートするよう心がけてください。「ひとりで悩んでばかりで専門家の指導を受けようとしない子どもに、キャリア支援室に行って相談するように勧める」
「企業を選り好みして、企業説明会に出かけない子どもを叱咤する」
「面接試験でいい結果が残せず落ち込んでいる子どもを、温かく見守ってやる」
などの支えが子ども達の大きな力となります。
■やってはいけない3つの行動
逆に私が実際に学生の話を聞いたり、親の行動を観察する中で、「これはやってはいけない」と思う行動を3つあげてみました。
第1は、『押しつけ』です。「公務員試験を受けなさい」「大手企業に行きなさい」と、志望先について親の希望を押しつけるということです。中には、せっかく内定が出たのに、「聞いたことの無い会社だから、やめておきなさい」と親に言われた学生もいました。働くのは、親のあなたではありません。
第2は、『過保護』です。私自身も人事の立場で、「地元で就職させたいが、子どもが地元を離れているので会社説明会の予約方法について教えて欲しい」という親の電話を受けたことがありました。仮に、学生自身がいくら素晴らしかったとしても、「このような問い合わせをする親の子どもを、採用する気持ちにはなれない」と考えた方がよいでしょう。
第3は、『無関心』です。本当に無関心なのはもちろんのこと、リベラルな考え方を持つ親の中には「子どもの人生なんだから、子どもが自由に決めればいい」と就活に関心を持たない方もいるようです。もちろん決断するのは子どもですが、就活は子どもにとって社会と直接触れるはじめての機会であり、今の学生はそこまで成熟していません。情報不足や不安を払拭するためにも、積極的に関わりを持って欲しいと思います。
就活もいよいよ本番です。2~3月は第一幕の佳境となり、学生は精神的にも肉体的にも大きなストレスを感じる時期だと思います。親が就活を理解した上で、子どもと対話することが非常に大切です。
【ワンポイントアドバイス:子どもが地元にいない場合の対話】
私が学生時代、親元への連絡は、10円玉をたくさん用意して公衆電話を使っていました。それに比べ、現代の通信手段の進歩はめざましく、PCや携帯のメール・携帯電話の家族間通話など多種多様です。ちなみに私は娘との連絡にスカイプ(インターネット電話)を利用しています。電器店で数千円のカメラとマイクを買ってPCに接続すればテレビ電話が出来上がり、遠距離のハンデを感じることもなく快適です。
■保護者のための就活Lesson バックナンバー■
第1回:親子間でギャップ 就活の今昔(就職戦線)
http://careercrate.eshizuoka.jp/e490761.html
第2回:親ができる就活サポート(基本編)
http://careercrate.eshizuoka.jp/e500486.html
第3回:企業の採用状況、求める学生像
http://careercrate.eshizuoka.jp/e519462.html
2010年01月29日
保護者のための就活Lesson 第3回
静岡新聞(1月29日朝刊)に記事が掲載されました。

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■企業の採用状況、求める人材像
■採用の状況を客観視する
昨今、新聞やテレビなどのメディアからは、「世界的な景気後退の影響で企業は採用に消極的」「雇用の過剰感が強く、新卒採用への影響は色濃い」等々、「今年の就活はたいへん厳しいものになる」旨の情報が流れています。実際、学内企業ガイダンスや合同企業ガイダンスを覗いてみても、参加企業数が減少する一方で、危機感を背景に来場する学生は増えています。
とはいえ、親である私たちが、「たいへんだ!頑張れ!」と騒いでいるだけでは、問題の解決にはなりません。まずは、今年の採用の状況を冷静、かつ客観的に分析してみる必要があるでしょう。
文部科学省と厚生労働省の調査によれば、2010年春に卒業予定の東海・北陸地区の大学生の就職内定率は61.4%(2009年10月1日時点)と、前年同月に比べて6.8ポイント低下しています。また、この内定率は、ここ5年の中では最も低い数値であり、2011年春卒業予定者の就活の厳しさも連想させます。ただ、もう少し長いスパンで見てみると平成14年の58.9%、平成15年の57.5%と、過去にも内定率が60%を切る年はあり、年ごとの内定率に一喜一憂するのはあまり意味が無いことのようにも思えてきます(グラフ-1参照)。
親である私たちは、「自分の子どもが企業の採用活動の本質を理解すること」に重きを置く必要があるのだと思います。
(グラフ-1)

出所:文部科学省・厚生労働省
■採用活動の本質とは?
企業規模の大小を問わず、経営者は「意欲ある若者の採用無くして企業の存続はない!」と考えており、常によい人材を採用するための努力を続けているということです。
その一方で、景気が悪化すると必ず強くなるのが、学生と親の「大手企業志向(=安定志向)」です。前述したように、企業の経営者は「意欲ある若者を採用したい」と考えているのであって、「安定した組織にしがみつきたい」と考える若者を採用したいわけではありません。このしごくシンプルな事実を理解しないまま、人気企業のごくわずかな採用枠に多くの学生が殺到し、「ほとんどの学生が内定を獲得できない」という結果に到るのです。
経済・社会環境が変化する中、企業倒産やM&A、拠点の統廃合や人員削減によるリストラも身近なところで起こっており、それは大手企業も例外ではありません。こんな時代だからこそ、企業の規模や知名度ばかりにとらわれるのではなく、「仕事のやり甲斐」や「職種の魅力」など、進路の視野を広げてみることも大切なのではないでしょうか。
■企業の求める人材像は?
志望企業の内定を得たいと考えるのであれば、採用する側の企業が求める人材像をイメージする必要があるでしょう。
学生からは、「どんな資格を取ると有利?」とか「学校の成績がよくないとハンデになる?」などの質問を受けますが、私の知る限り、選考の過程で努力してきた事への動機やプロセスが評価されることはあっても、資格やよい成績自体が就活におけるアドバンテージになることはありません。
近年、IT化の進展やOA機器の進歩によって、職場における単純作業の機械化や自動化が進んでいます。また、企業を取り巻く環境も大きく変化しており、指示された仕事をそのままこなすだけの人材は、評価されなくなってきています。
その様な状況の中、経済産業省は2006年より、「職場や地域社会で多様な人々と仕事をしていくために必要な基礎的な力」として『社会人基礎力』を提唱。多くの企業が採用の際の指標としはじめています。
□社会人基礎力 ~3つの能力、12の要素~
◎前に踏み出す力:一歩前に踏みだし、失敗しても粘り強く取り組む力
・主体性…物事に進んで取り組む力
・働きかけ力…他人に働きかけ巻き込む力
・実行力…目的を設定し確実に行動する力
◎考え抜く力:疑問を持ち考え抜く力
・課題発見力…現状を分析し目的や行動を明らかにする力
・計画力…課題の解決に向けたプロセスを明らかにし準備する力
・創造力…新しい価値を生み出す力
◎チームで働く力:多様な人々とともに、目標に向けて努力する力
・発信力…自分の意見をわかりやすく伝える力
・傾聴力…相手の意見を丁寧に聴く力
・柔軟性…意見の違いや立場の違いを理解する
・状況把握力…自分と周囲の人々や物事との関係性を理解する力
・規律性…社会のルールや人との約束を守る力
・ストレスコントロール力…ストレスの発生源に対応する力
出所:経済産業省
『社会人基礎力』の内容を確認し、「うちの子どもには足りない部分ばかり…」などと落胆する必要はありません。企業によって重要視する能力は違いますし、そもそも企業は新卒の学生にすべての能力を兼ね備えていることを期待しているわけではありません。
最も大切なことは、現時点での能力の有無ではなく、「仕事をしていくために必要な、これらの能力を身に付けようと、努力できる人間であることを感じてもらう」ということなのだと思います。さらに、子どもに対しては、顕在化された能力よりも『社会に出る覚悟!』が大切であることを伝えて欲しいと思います。
【ワンポイントアドバイス:就職難をプラスに!】
産業能率大学が、就職氷河期世代(29~33歳)の正規従業員を対象にした調査を実施。「これまでの社会人生活を振り返って、『就職氷河期』に入社したことが、プラスであったかマイナスであったか」を質問したところ、プラスと回答した人(35.4%)は、マイナスと回答した人(18.4%)の約2倍という結果が出ました。親であれば、「子どもに苦労をさせたくない」と思うのは誰しも同じ、とはいえそこはぐっと我慢をし、「厳しい状況が人を育てる」と現状をポジティブに捉えたサポートを心がけたいですね。

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■企業の採用状況、求める人材像
■採用の状況を客観視する
昨今、新聞やテレビなどのメディアからは、「世界的な景気後退の影響で企業は採用に消極的」「雇用の過剰感が強く、新卒採用への影響は色濃い」等々、「今年の就活はたいへん厳しいものになる」旨の情報が流れています。実際、学内企業ガイダンスや合同企業ガイダンスを覗いてみても、参加企業数が減少する一方で、危機感を背景に来場する学生は増えています。
とはいえ、親である私たちが、「たいへんだ!頑張れ!」と騒いでいるだけでは、問題の解決にはなりません。まずは、今年の採用の状況を冷静、かつ客観的に分析してみる必要があるでしょう。
文部科学省と厚生労働省の調査によれば、2010年春に卒業予定の東海・北陸地区の大学生の就職内定率は61.4%(2009年10月1日時点)と、前年同月に比べて6.8ポイント低下しています。また、この内定率は、ここ5年の中では最も低い数値であり、2011年春卒業予定者の就活の厳しさも連想させます。ただ、もう少し長いスパンで見てみると平成14年の58.9%、平成15年の57.5%と、過去にも内定率が60%を切る年はあり、年ごとの内定率に一喜一憂するのはあまり意味が無いことのようにも思えてきます(グラフ-1参照)。
親である私たちは、「自分の子どもが企業の採用活動の本質を理解すること」に重きを置く必要があるのだと思います。
(グラフ-1)

出所:文部科学省・厚生労働省
■採用活動の本質とは?
企業規模の大小を問わず、経営者は「意欲ある若者の採用無くして企業の存続はない!」と考えており、常によい人材を採用するための努力を続けているということです。
その一方で、景気が悪化すると必ず強くなるのが、学生と親の「大手企業志向(=安定志向)」です。前述したように、企業の経営者は「意欲ある若者を採用したい」と考えているのであって、「安定した組織にしがみつきたい」と考える若者を採用したいわけではありません。このしごくシンプルな事実を理解しないまま、人気企業のごくわずかな採用枠に多くの学生が殺到し、「ほとんどの学生が内定を獲得できない」という結果に到るのです。
経済・社会環境が変化する中、企業倒産やM&A、拠点の統廃合や人員削減によるリストラも身近なところで起こっており、それは大手企業も例外ではありません。こんな時代だからこそ、企業の規模や知名度ばかりにとらわれるのではなく、「仕事のやり甲斐」や「職種の魅力」など、進路の視野を広げてみることも大切なのではないでしょうか。
■企業の求める人材像は?
志望企業の内定を得たいと考えるのであれば、採用する側の企業が求める人材像をイメージする必要があるでしょう。
学生からは、「どんな資格を取ると有利?」とか「学校の成績がよくないとハンデになる?」などの質問を受けますが、私の知る限り、選考の過程で努力してきた事への動機やプロセスが評価されることはあっても、資格やよい成績自体が就活におけるアドバンテージになることはありません。
近年、IT化の進展やOA機器の進歩によって、職場における単純作業の機械化や自動化が進んでいます。また、企業を取り巻く環境も大きく変化しており、指示された仕事をそのままこなすだけの人材は、評価されなくなってきています。
その様な状況の中、経済産業省は2006年より、「職場や地域社会で多様な人々と仕事をしていくために必要な基礎的な力」として『社会人基礎力』を提唱。多くの企業が採用の際の指標としはじめています。
□社会人基礎力 ~3つの能力、12の要素~
◎前に踏み出す力:一歩前に踏みだし、失敗しても粘り強く取り組む力
・主体性…物事に進んで取り組む力
・働きかけ力…他人に働きかけ巻き込む力
・実行力…目的を設定し確実に行動する力
◎考え抜く力:疑問を持ち考え抜く力
・課題発見力…現状を分析し目的や行動を明らかにする力
・計画力…課題の解決に向けたプロセスを明らかにし準備する力
・創造力…新しい価値を生み出す力
◎チームで働く力:多様な人々とともに、目標に向けて努力する力
・発信力…自分の意見をわかりやすく伝える力
・傾聴力…相手の意見を丁寧に聴く力
・柔軟性…意見の違いや立場の違いを理解する
・状況把握力…自分と周囲の人々や物事との関係性を理解する力
・規律性…社会のルールや人との約束を守る力
・ストレスコントロール力…ストレスの発生源に対応する力
出所:経済産業省
『社会人基礎力』の内容を確認し、「うちの子どもには足りない部分ばかり…」などと落胆する必要はありません。企業によって重要視する能力は違いますし、そもそも企業は新卒の学生にすべての能力を兼ね備えていることを期待しているわけではありません。
最も大切なことは、現時点での能力の有無ではなく、「仕事をしていくために必要な、これらの能力を身に付けようと、努力できる人間であることを感じてもらう」ということなのだと思います。さらに、子どもに対しては、顕在化された能力よりも『社会に出る覚悟!』が大切であることを伝えて欲しいと思います。
【ワンポイントアドバイス:就職難をプラスに!】
産業能率大学が、就職氷河期世代(29~33歳)の正規従業員を対象にした調査を実施。「これまでの社会人生活を振り返って、『就職氷河期』に入社したことが、プラスであったかマイナスであったか」を質問したところ、プラスと回答した人(35.4%)は、マイナスと回答した人(18.4%)の約2倍という結果が出ました。親であれば、「子どもに苦労をさせたくない」と思うのは誰しも同じ、とはいえそこはぐっと我慢をし、「厳しい状況が人を育てる」と現状をポジティブに捉えたサポートを心がけたいですね。